入出力インタフェース規格「PCI Express 2.0」のリリースが2カ月後に迫っている。このアップデート版では、仮想化、電力管理、ハイエンドグラフィックカードと組み合わせ、ユビキタスコンピュータ通信技術に役立つよう設計されている。
PCI Express--バージョン1.0は2003年に公開--は、ネットワークアダプタなどの機器をコンピュータに接続するための標準規格だ。PCIを策定するPCI Special Interest Group(SIG)によると、バージョン2.0では、高速化をはじめ、多くの改良が加えられているという。
PCI SIGは米国時間10月9日、PCI Expressの次期バス仕様「PCI Express 2.0 Base」のリリース候補(revision 0.9)を、評価版としてメンバー企業に提供開始したと発表した。評価期間の60日間が経った後、正式版を公開する計画だという。
従来のPCIでは、比較的多数のパラレルな通信ラインを使って、厳密に同期した状態でデータを送っていた。一方、PCIの後継にあたるPCI Expressでは、比較的少数のシリアルな高速通信リンクを使っている点が異なっている。
PCI Express 2.0 Baseの最大の特徴は高速化だ。シリアル方式の各ラインのデータ転送速度で比較すると、旧バージョンの2.5Gbpsから、2倍の5Gbpsに高速化されている。
ただしその他にも、現在取り組みが進んでいる改良点がある。その一つとして、225〜300ワットの電力を消費するハイエンドのグラフィックカードのサポートが追加される予定だと、451 GroupのアナリストGreg Quick氏は6日の記事で述べている。
「Input-Output Virtualization(IOV)」と呼ばれる機能が将来実現すれば、それぞれ異なるOSを搭載した複数の仮想マシンで、ネットワークカードなどのPCI機器を共有するのが容易になる。
また、「PCI Express Cable」の仕様では、PCI機器をプラグインスロットで接続するだけでなく、1ライン当たりのデータ転送速度が2.5Gbpsの標準銅ケーブルを使い、最大10メートルの接続も可能になる。この技術を使えば、多数のネットワークカードを格納する入出力拡張モジュールをハイエンドサーバに追加するといったタスクが容易になるだろう。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
「もったいない」という気持ちを原動力に
地場企業とともに拓く食の未来