サンフランシスコ発--まもなく登場するモバイルチップ「Steeley(開発コード)」のおかげで、Ultra-Mobile PC(UMPC)の価格が大幅に低下しそうだ。
Intelのウルトラモビリティグループを率いるシニアバイスプレジデントのAnand Chandrasekher氏は、2008年初頭にはUMPCが500ドル〜700ドル程度で販売されるようになるだろうと述べた。
UMPCは現在1000ドル以上で販売されており、販売は決して順調ではない。
サムスン電子のUMPC「Q1」をはじめとする既存製品と、将来登場するものとの大きな違いの1つは、部品である。現在のUMPCは、低消費電力のノートPC向けチップを搭載している。
これに対し将来のUMPCは、Intelが2007年後半にリリースする超低消費電力プロセッサSteeleyを搭載するようになる。Steeleyは標準的なIntelプロセッサと同様、WindowsにもLinuxにも対応するが、設計が従来のIntelプロセッサはもちろん、最新の製品とも「劇的に異なる」とChandrasekher氏は述べる。
また、長時間のバッテリ駆動も可能になる。当地で開催中のIntel Developer Forum(IDF)の基調講演で、Intelの最高経営責任者(CEO)Paul Otellini氏は、2008年に登場するノートPCはバッテリが「1日中もつ」ようになるだろうと述べた。
Chandrasekher氏は、Steeleyがほかのチップとどう異なるのか詳述しなかったが、コストと消費電力を削減するために複数の技術が用いられていると述べた。プロセッサ、グラフィックチップ、メモリコントローラの回路を同じシリコン上に集積できる点もその一例だ。Intelは1990年代後半、「Timna」というチップで一度この手法を試している。しかし、統合メモリコントローラがRambusの設計によるメモリとの接続にしか対応していなかったため、Timnaは生産中止に追い込まれた。
Steeleyは、「McCaslin」と呼ばれるリファレンスデザインに組み込まれる予定だ。Intelは、こうしたリファレンスデザインをPCメーカー各社にライセンス供与している。Chandrasekher氏はMcCaslinについては詳述を控えたが、画面のサイズが対角で約4〜7インチになることを明かした。これより画面サイズが小さいと使い勝手が悪くなり、これより大きいとノートPCと変わらなくなってしまうと同氏は述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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