加熱するバッテリー市場--爆発の危険性を抑えたバッテリーも

文:Michael Kanellos(CNET News.com) 翻訳校正:尾本香里(編集部)2006年07月27日 21時20分

 突然発火するという稀な事例を除けば、リチウムイオンバッテリーは電子機器の大革命に一役買ってきた。

 テキサス州オースティンに拠点を置くValence Technologyはバッテリー技術が引き起こす爆発性を抑え、電動工具やハイブリッド車にも使用できる大容量リチウムバッテリーを製造する方法を開発したと述べた。今日まで、リチウムイオンバッテリーは大部分がノートPCや個人向け電子機器に利用されてきた。

 シリコンバレーではこのところ、バッテリーが大きなビジネスになっている。Tesla Motorsは先ごろ、電気スポーツカーの詳細を明らかにした。これは、同社がリチウムイオンのバッテリーパックで車体を動かせるようにバッテリーを改良したことで可能となった。

 ベンチャーキャピタリストらはまた、ニッケル亜鉛バッテリーを製造しているPowerGenixなどの企業にも資金を投入している。PowerGenixの最高経営責任者(CEO)Dan Squiller氏によれば、亜鉛バッテリーはエジソンの時代から存在していたが、十分に活用されてこなかったという。PowerGenixは、電動工具といった大きな力を必要とする大型器具向けにバッテリーを販売する予定だ。

 Valenceは、バッテリー内部の金属棒であるカソードの材料を変更することで、同社のリチウムイオンバッテリー「U-Charge Power System」の爆発性を抑えてきた。リチウムイオンバッテリーの大部分は、カソードの材料として酸化コバルトを利用している。一方、Valenceは金属リン酸塩で作られたカソードを使用している。

 金属リン酸塩を使用したバッテリーは従来のリチウムイオンバッテリーが蓄積可能なエネルギー量の約75%しか蓄えることができない。その代わり、金属リン酸塩は燃えにくい。従来のリチウムイオンバッテリーでは、バッテリー内部の熱が、酸化コバルトを分解していた。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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