しかし、多くのサーバベンダーは同チップ用にサーバを設計し直すことにしている。Unisysと富士通は新プロセッサに移行するだけに留まるが、HP、SGI、そしてNECはMontecito用に新しいを開発したと、各社の広報担当は述べている。
MontecitoとMadisonの互換性が保たれたことは、何カ月も前からMontecitoシステムの準備を整えていたHPとSGIにとっては救いとなった。Montecitoのスケジュールが延期された際も、両社はMadisonチップを搭載して新製品を発売することができた。
発売イベントでは、各社の幹部が以下のようなMontecitoシステムについて説明を行った。
- NECは「Express5800」2モデルをリリースする。32プロセッサ構成の「1320Xf」と8プロセッサ構成の「1080Rf」は、WindowsもしくはLinuxを搭載する。NECのアライアンス&ストラテジー担当ゼネラルマネージャーMike Mitsch氏によると、両システムは、多数のチップのキャッシュメモリを同期させる通信技術を内蔵しているという。これにより、より高速かつ効果的にデータをやりとりできるようになる。
- HPは、ローエンドマシンから徐々にハイエンドのSuperdome製品へと対象を拡大し、IntegrityシリーズすべてにMontecitoを搭載する。HPのBusiness-Critical Serverグループ担当マーケティングディレクターBrian Cox氏によると、アップグレード関連のプロモーションについては全く計画していないという。
- Unisysは、Montecitoベースのモデルを9月上旬に出荷し、「ES7000」サーバをアップグレードする。Montecitoシステムの価格はこれまでのMadisonバージョンからほぼ据え置きになるが、チップあたりのパフォーマンスは2倍になると、Unisyのエンタープライズサーバ市場開発ディレクターChas Weber氏は述べている。
- SGIの高性能コンピューティング担当マーケティングマネジャーJill Matzke氏によると、SGIは、「Altix 4700」と「Altix 450」の両マシンにMontecitoを採用するという。Raytheonが、384プロセッサのAltix 4700システム2台と、512プロセッサシステム1台の購入を決めている。
- 富士通は、最大32プロセッサまでの構成が可能な「PRIMEQUEST 580」、最大16プロセッサ構成が可能な「PRIMEQUEST 540」、最大8プロセッサ構成が可能な「PRIMEQUEST 520」の3種類のMontecitoサーバを発表した。