Amazon.comの従業員らが、米国内外のオンライン購入客からの税徴収が義務化される場合に備えて税額算出システムを開発していたことが、米特許商標庁と欧州特許庁(EPO)の文書で明らかになった。
特許番号第20060036504号のこの税額算出システムは、まず商品の分類を行い、分類された商品の配送先の税法を自動かつ動的に取り込み、発送される商品に課税するという仕組みだ。
この特許の申請が行われたのは2004年8月だが、1年半に及ぶ米国特許の通常の審査プロセスを経て、2006年2月16日に公開された。
この米国特許は、EPOのウェブサイト上でも、欧州特許クレームとともに閲覧可能だ。
同特許の明細書には以下のように記されている。「商品の分類を行う目的は、配送先の国の適切な輸入税法を選択すること、および/または、発送元の国の適切な輸出税法を選択することにある。例えば、商品が発送される前にその商品の見積税の算出が可能になる」
現在Amazonは、同社の英国版ウェブサイトAmazon.co.ukから発送される商品に課される付加価値税(VAT)の算出にこの種のシステムを利用している。
この特許では、国際輸送に関する税金のアルゴリズムに重点が置かれているが、州税の対象となる輸入品向けの同様のシステムも近い将来開発されると見られる。
米国では、国内の多くのオンライン小売業者に対し、顧客がサイト上で商品を購入した際に遠隔地から税を徴収することを義務付けるよう求める法案が提出されている。一部の法案には、小規模企業を対象から除外したり、法律を導入するか否かの選択を各州の判断に委ねる条項が含まれているが、Amazonのような全国規模の大手小売業者の場合は、いずれの法案が可決されようとも、税の徴収が義務付けられる可能性は極めて高い。
本件についてAmazonにコメントを求めたが、回答は得られなかった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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