1993年に出た初代のPentiumは1つの命令を実行するのに13ナノジュールの電力を消費した。それに対し1995年に登場したPentium Proでは、性能は2倍近くになったものの、消費電力のほうも24ナノジュールとなっていた。さらに、Pentium 4では、Pentiumに比べて性能は約4倍に、消費電力も約49ナノジュールになった。
もともとモバイルPCように設計されたPentium Mの登場で、この流れが変わった。2003年に登場した同チップの最初のモデルは、消費電力が12ナノジュールとオリジナルPentiumとほぼ同じでありながら処理性能は約2.7倍になっていた。また今年登場したCore Duoは、約4倍の性能を持ちながら、消費電力は10ナノジュールとさらに少なくなっている。
ただし、プロセッサはコンピュータのコンポーネントの一部に過ぎない。Intelは拡張アイドルモード(extended idle mode)と呼ばれる技術を通してシステムのほかの部分での消費電力削減にも取り組んでいる。この技術をつかえば、プロセッサ以外の部分もアイドル時に動作を停止させることが可能になる。
たとえばこの技術のなかにはディスプレイを自動的に更新するものもあり、システム全体をスリープ状態にしたままで、ディスプレイだけを更新することも可能になる。また、マザーボードを停止させたままで、ディスプレイ上に一定の情報を表示させておくことさえできる。
「プラットフォームレベルでの電源管理の改善によってもたらされるメリットはきわめて大きい。われわれのすべてのシステムでこの問題に取り組む必要がある」とRattnerは述べた。
Core Microarchitectureの新機能
Rattner氏は、Coreマイクロアーキテクチャに実装された新たな機能を説明した。
・「Intel Wide Dynamic Execution」:この機能により、1クロックあたり最大で4つの命令を同時に実行できる。さらに、macrofusionと呼ばれる機能は、自動的に2つの上位レベルの命令を1つの命令にまとめる。
・「Digital Media Boost」:「SSE」の命令すべてを1クロックで実行する。SSEは「ストリーミングSIMD(Single Instruction, Multiple Data:単一命令、複数データ)拡張」の略で、ビデオのデコードやデジタル写真の処理といった複数の操作を高速化する。
・「Intel Advanced Smart Cache」:複数のプロセッサコアが高速キャッシュメモリをよりうまく共有できるようにする。たとえば、一方のコアがアイドル状態にある場合、もう一方のコアにキャッシュ全体をコントロールさせたり、両方のコアで同じデータを共有する方法を規定できる。
・「Intel Smart Memory Access」:機能が強化された一連のアルゴリズムで、メインメモリから、より高速なキャッシュメモリに「プリフェッチ」する必要のあるデータを予測することができ、プロセッサが必要とするときにデータを近くに置いておける。
・「Intel Intelligent Power Capability」:特定の時点で命令実行に不要なチップの一部を機能停止させることができる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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