米連邦地方裁判所の判事は米国時間2月14日、Microsoftに対し、同社と米司法省との間で締結された独占禁止に関する和解事項の履行が「遅れている」と非難した。
米司法省は先ごろ、Microsoftの通信プロトコルのライセンスプログラム「Microsoft Communications Protocol Program(MCPP)」のライセンシーが使用する技術文書の作成に同社が手間取っているとの懸念を表明した。そしてColleen Kollar-Kotelly米地裁判事も、コンプライアンス指令について四半期毎の状況を検討するカンファレンスで、司法省の見解に同意した。
MCPPは、2002年にMicrosoftと司法省との間で成立した和解の要求事項の一部として策定された。その目的は、Windows対応のサーバソフト開発においてMicrosoftがサードパーティの開発者に対して持つ優位性を弱めることにある。Microsoftによると、現在26の企業がMCPPに基づいて同社の通信プロトコルのライセンス供与を受けており、これまでに出荷されている同技術を使用した製品は12種にのぼるという。
しかし司法省は、Troikaと呼ばれる技術文書作成プロジェクトが停滞し、ライセンシー企業への同文書の配布が遅れているため、ライセンシー企業はバグが修正できない状態にある、として同社を非難している。
Kollar-KotellyはMicrosoftに対し、「(文書作成の)遅滞が解消されることを強く期待しているということを強調したい」と述べた。
これに対しMicrosoftは、同プロジェクトの遂行に必要な十分な技能を持った人材が不足しているなかで同社は最善を尽くしており、現在も必要な人材を積極的に採用していると弁解した。同社は、今週末までにTroikaプロジェクトのプレリリース版をライセンシーに配布する予定で、今のところその予定に変更はないという。
さらにMicrosoftの顧問弁護士を務めるCharles Ruleは、Microsoftは最近、Windows Serverのソースコードの一部を追加料金なしでライセンシーに公開する(同弁護士はこの公開を同社の核となる技術のDNAを暴露するのに等しいと語る)と提案したが、この提案こそ、米政府の命令に真摯に従おうとする同社の姿勢を顕著に表すものだ、と主張した。
「(Microsoftがそのような行動に出た動機が)恐れなのか愛なのかは分からないが、Microsoftは自らがすべきことを把握しており、そして将来それを実行する」とRuleは判事に対して述べた。
原告である国側の主席弁護士を務めるJay Himesは、技術文書プログラムがテスト段階にあることから、ソースコードの公開は、問題解決の一部の能率化に寄与するだろうと述べた上で、「しかし、それがいかに有用であっても、問題解決の確実な方法ではない」と語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス