米マサチューセッツ州議会議員らは、IT業界の最有力企業数社を召集し、同州の電子ドキュメント標準について議論した。この問題は、全米各州に広く影響を及ぼすほどの重要性を持つことから、議論の成り行きは大いに注目を集めた。
この公開討論会で何らかの政策が決定したわけではないが、2人の重要な州関係者は、マサチューセッツ州が最終的に、生産性アプリケーションおよび電子記録向けの複数のドキュメント標準をサポートするだろう、と語った。
州が複数のドキュメント標準を認定する政策を採用すれば、州の調達プロセスにおいてOpenDocument標準を使用する企業とMicrosoftの競合が可能になる。現在MicrosoftはOpenDocumentをサポートしていないため、州の行政機関におけるデスクトップアプリケーション契約獲得競争から締め出されている。
この公開討論会は、マサチューセッツ州議会議事堂で開催された。財務部門のIT担当が、2007年1月1日までにOpenDocumentベースの製品を導入するよう義務付ける決断を下したことが論議を呼び、政治問題化した。そこで、同州の議会議員らが、この決断をめぐる様々な問題を公表する目的で討論会を開催した。OpenDocumentは、ワープロや表計算といった一般的なデスクトップアプリ向けの標準だ。
ベンダー数社が開発したOpenDocument標準をマサチューセッツ州が支持している点については、長期に渡る電子文書へのアクセスが保証されるとして、特に政府関係の顧客の間で歓迎されてきた。
ハーバード大学法科大学院の教授で、Berkman Center for Internet & Societyのエグゼクティブディレクターを務めるJohn Palfreyは14日の討論会の中で「これは極めて重要なテーマであり、国際的に注目を集めていることは間違いない」と述べ、さらに「マサチューセッツ州は炭鉱の中のカナリアのような存在だ。同州の動きをみて、他州は政策を決める。これは同州の経済のみならず、民主主義にとってもプラスだ」と語った。
Microsoftは、2006年に発売予定のOfficeの次期版でOpenDocumentをサポートする予定はない。しかし、生産性アプリ市場で圧倒的シェアを誇る同社は、標準化団体のECMA Internationalに、OfficeのXMLドキュメントフォーマット仕様を提出した。ECMA Internationalはおよそ1年以内に同仕様を標準化する意向だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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