独ミュンヘン市は、デスクトップPCのLinuxへの移行を、当初の計画より1年延期し、2006年に実施することを決定した。同市は、オープンソースオペレーティングシステム(OS)の導入を決めてから3年後に、ようやく計画を実行することになる。
システム移行を担当するプロジェクトリーダーのPeter Hofmannは現地時間9月5日、1万4000台のデスクトップPC上で稼働するOSをWindows NT 4.0からLinuxへ、そして生産性アプリケーションをMicrosoft Office 97やOffice 2000からOpenOffice.orgへと2005年に移行する予定だったが、この計画が延期されたことを明らかにした。
移行開始が遅れる理由の1つとして、同氏は追加トライアルが必要になったことを挙げている。トライアルは2006年前半に実施される予定だ。「計画をより詳細に検討していくうちに、トライアルが、当初考えられていた以上に重要であり、より長期間実施すべきであることが分かってきた」とHofmannは述べた。
移行チームは、LinuxとOpenOffice.orgを導入した試験用のPCを各部署に設置する予定だ。Hofmannによると、試験が完了したら、各部門におけるオープンソースソフトウェアの導入をいっぺんに、または2段階に分けて実施する計画だという。
「一部の部署ではWindows上にOpenOfficeを導入することから始める。また、ほかの部署ではLinux上にOpenOfficeを導入するところから始める」とHofmannはいう。「(OSと生産性ソフトのどちらからオープンソース製品に切り替えるかは)職場の状況によって異なる。例えば、(Officeアプリケーションの)マクロやテンプレートを少ししか使わない代わりに、多数の複雑なアプリケーションを使用している部署の場合、先にWindows上でOpenOfficeを動かすほうが簡単だ」(Hofmann)
Hofmannによると、市当局の職員はLinuxに移行するというニュースに様々な反応を見せているという。「(移行後に仕事が)うまくいかないことを心配する職員もいれば、移行に乗り気な職員もいる」とHofmannは述べる。
欧州の都市でLinuxへの移行を計画しているのはミュンヘンだけではない。2005年7月には、オーストリアのウィーンがデスクトップPCへのオープンソースソフトウェアの導入を検討開始した。またノルウェーの都市ベルゲンも移行を計画している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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