Microsoftが、いわゆる「AJAX」アプリケーションの開発を簡素化するツールの開発に取り組んでいる。AJAXとは高度なグラフィックスを持ったウェブアプリケーションのことだ。
同社は現在「Atlas」(開発コード名)というソフトウェアを開発している。このツールは、AJAXタイプのアプリケーションを簡単に開発できるようにするために考えられている。Microsoftでは、同ソフトウェアの初期バージョンを、9月にロサンゼルスで開催する「Professional Developers Conference」で配布する予定だ。
AJAXとは比較的新しい言葉で、過去8年の間に考案され、標準化された一連のウェブ関連技術を指している。JavaScriptやダイナミックHTMLなどもこのなかに含まれる。また、ウェブのクライアントソフトがサーバから情報をダウンロードしようとする度に、サーバに接続し直す必要を減らす「XmlHttp」という機能も、この一部となっている。
AJAXでつくられたアプリケーションは、ウェブブラウザ上で実行される現在のアプリケーションよりも優れた性能を持つとして、ますます多くの開発者がAJAXを支持するようになっている。
Microsoftでは、Atlasを「ウェブクライアント・フレームワーク」と呼んでいる。これはAJAXタイプのアプリケーション開発作業を簡素化するために考えられたものだと、同社のCharles Fitzgerald(プラットホームテクノロジー担当ゼネラルマネージャ)は説明する。
「AJAXアプリケーションを開発する人々は、技術に関してそれほど高度な知識を持っているわけではない。それが、JavaScriptによる開発が混乱する原因の一部になっている。JavaScriptなら簡単にプログラムを書ける。だが、スパゲッティのようにぐちゃぐちゃなコードしかできない」(Fitzgerald)
これに対し、Atlasを利用すれば、アプリケーション開発のためのより構造化された環境を得られることになる。またAtlasには、オブジェクトモデルのような時間の節約につながるサービスやデバッグ用ツールも付属する。同開発ツールは、AJAXの技術をサポートするウェブブラウザなら、どんなものでも動作すると、Fitzgeraldは述べている。
Atlasは、11月に発売予定の「Visual Studio 2005」開発ツールならびに「ASP.Net 2.0」ウェブ開発フレームワークを通して利用できるようになる。
Fitzgeraldによると、Altasはいわゆるリッチクライアント・アプリケーションの開発用にMicrosoftが用意したいくつかの技術の一部だという。リッチクライアントは、従来のウェブアプリケーションに比べて動作が素早く、高度なユーザーインターフェースを持つのが特徴だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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