Sun Microsystemsの「Sparc」プロセッサー対応Linuxの主任プログラマーDave Miller氏は米国時間2月17日、同オープンソースOSがSunの新しい「UltraSparc T1」(Niagara)ベースサーバー上で起動したことをブログで明らかにした。これは、Linuxを自社のSparcベースのコンピューターで動作させると同時に、Sparc版Linuxのための有益なソフトウェア環境を促進するSunの取り組みにおいて最初の節目となる。
Miller氏は自身のブログで、Linuxが「合計32プロセッサー起動」と表示して同システムを32プロセッサーマシンと認識したログを公表した。UltraSparc T1には、それぞれが4つの別々の命令シーケンス(スレッド)を処理する8個の処理エンジン(コア)があるため、1個のチップが32個の独立したプロセッサーに見える。
だが、処理後半にはファイルシステムがカーネルパニックという深刻な問題を引き起こすなど、ブートは完全にスムーズには行かなかった。
Sparc版Linux開発プロジェクトは、自社の技術をオープンソースコンピューティング業界の基盤にすることで適合性と財務面の復活を目指すSunの取り組みの一面に過ぎない。
ほかにも、Sunは、自社OSである「Solaris」を「OpenSolaris」というオープンソースプロジェクトにする取り組みを進めている。また、同社は、UltraSparc T1をオープンソースチップ化する。同チップは先週、デザインがGNU General Public License(GPL)下で公開され、多くの詳細も明らかされた。
さらに、Sunの社長Jonathan Schwartzは先週、Linuxや、並行して開発が進むBSD UNIXの関連作業に有益なチップ関連の詳細の公表したことについて売り込んでいた。
SunのSparc版Linux開発により、IBMの「Power」プロセッサーやIntelの「Itanium」という2つのサーバーチップシリーズは、Linux対応を巡ってライバルが増えることになる。しかし、Sparc版Linux開発プロジェクトが大きな影響力を持つようになるとの見通しには懐疑的な意見が多い。LinuxベンダートップのRed HatとNovellの2社には、自社製品のSparc版を復活させる予定がない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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