Microsoftは米国時間2月12日、プッシュ型の電子メール配信機能をモバイル端末向けに提供開始する準備が整ったことを明らかにした。
プッシュ型の電子メールサービスは、Research In MotionやGood Technologyなどからすでに提供されている。しかし、Microsoftは、この市場には好機があると述べている。市場には十億台もの携帯電話が出回り、電子メールクライアント「Outlook」のユーザー数も4億人に達しているというのに、会社の電子メールが携帯電話に配信されているというユーザーは1000万人程度しかいない。
MicrosoftのバイスプレジデントSuzan DelBeneは10日、電話インタビューに応じ「世界中を見渡して、まだまだ大きな市場機会があると認識した」と述べた。
プッシュ型の同サービスでは、サーバに到着した電子メールが、そのまますぐに携帯端末に配信される。その一方で、ユーザーがみずから電子メールを取得するために手動で受信操作を行うモデルをプル型と呼ぶ。
Microsoftでは以前から、プッシュ型の電子メール配信機能を提供することを公約していた。同機能は、「Windows Mobile 5」を搭載する端末と、「Exchange 2003 Service Pack 2」サーバとの連携によって実現される。メッセージングやセキュリティ機能が強化されたExchange 2003 Service Pack 2は2005年に出荷されていたが、これに対応した機器が市場に出回るまでには時間がかかった。
Microsoftによると、Amena、Chngwa Telecom、Cingular Wireless、Orange、Sprint、T-Mobile, Verizon、Vodafoneなどのキャリアは、顧客が電子メールの「Direct Push」機能や、新しいセキュリティ機能を利用できるように、無料アップグレードを提供しているという。
さらに、Hewlett-Packardの「iPAQ hw6900 Mobile Messenger」やFujitsu Siemensの「FS Pocket LOOX」、台湾のChungwa Telecomから提供される予定の「Gigabyte g-Smart」などの端末には、Microsoftから発表されたPush Email機能を利用するうえで必要なソフトウェアが搭載されると、Microsoftでは述べている。またHTCでは第2四半期の初めには、T-Mobileなどの事業者向けの複数端末にこの機能を搭載させる予定だと述べている。
携帯電話とPDA端末の機能を併せ持つiPAQ hw6900では、 Enhanced Data Rates for GSM Evolution(EDGE)ネットワークや内蔵のWi-Fi接続機能を介してインターネットに接続する。また同シリーズは、GPS機能を実現するためのチップやソフトウェアも備える。同シリーズは2006年春より、アジア、欧州、中東、アフリカで発売され、夏には北米でも販売される予定だ。HPは以前2回にわたって、iPAQ hw6900シリーズの詳細情報をウェブ上に流出させてしまっていた。
Microsoftは、バルセロナで開催される携帯電話のトレードショー「3GSM World Congress 2006」にあわせて、プッシュ型の電子メール配信機能を発表する予定だ。Microsoftの最高経営責任者(CEO)Steve Ballmerが14日、基調講演をする。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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