Salesforce.comは、自分たちの顧客がウェブを自由自在に使いこなせる、非常に高い能力を備えた企業であることをしきりに自慢している。だが今回は、このような顧客を持っていることが裏目に出てしまったようだ。
Salesforceのサービスがたびたび停止したことに業を煮やしたユーザーたちが今週、ブログに不満をつづっている。例えば、米国時間1月30日にSalesforceのサイトの一部が数時間オフラインになったことを受けて、「Salesforce.comに不満を持つユーザーのため」に、GripeForceというブログまで立ち上げたユーザーもいる。
GripeForceのブロガーは30日、「こういう事態があまりにも頻繁に起こるようになっている。Salesforceは午前10時半からお昼までダウンしていた。これではひどすぎる。月末まで残り2日しかないのに、営業チームは自分たちのデータにアクセスできずにいた」と記している。
Salesforceの「オンデマンド」ビジネスアプリケーションの信頼性について、人々が関心を寄せるのは、もっともである。Salesforceは、多くの企業から重要な顧客情報や営業情報を預かって自社サーバに格納し、これらの情報をウェブ経由で「オンデマンド」配信している。つまり、顧客は、Salesforceのシステムに大きく依存しているわけだ。2005年12月に同社のサービスが半日間使えなくなってしまったときに、このことを痛感したユーザーは多いはずだ。
Salesforceの最高経営責任者(CEO)Marc Benioffは、30日の「出来事」は(先月のものに比べて)深刻ではなかったと述べた。システムが停止したのは30分ほどで、米国とカナダの顧客が断続的に接続できない事象が起きただけだったと、Benioffは30日付けの電子メールの中で語っている。同氏は、30日の出来事が「軽微な問題」であるとした。
だが、顧客側は不満を募らせている。「Salesforce.comの顧客として、(Benioffの)発言にはがっかりした」と、オレゴン州ユージンの起業家であるMike Saxは自分のブログで語っている。
マサチューセッツ州ノーサンプトンのBill Bitherも、30日の障害が軽微な問題だったとは考えていない。同氏は、この障害によって、Salesforceに保管されているデータを別のビジネスシステムと連携させるための重要なAPIが、7時間使えない状況に陥ったと述べた。
同社の顧客がオンラインで不満を述べ始めたことを受け、Salesforceの担当者はこの事件について反省の色を示し始めた。
同社の広報担当Bruce Francisは電子メールで「サービスが利用できなくなれば、顧客に迷惑がかかることを、われわれは自覚している。今回の件について、心からお詫びしたい」と述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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