Microsoftは、「Outlook」でSiebel Systemsの顧客情報システムのデータを閲覧するのに利用する無料ソフトウェアのコードをリリースした。こうした社内プロジェクトを立ち上げることで、他企業が同様のプログラムを開発することをMicrosoftは望んでいる。
同プロジェクト「Project Elixir」は、同社が2005年1月に、Office 2003を用いてSiebel、SAP、Oracleなどの企業システムとOutlookを連携させる方法をデモンストレーションした際、初めて話題に上った。その数週間後には、Microsoft会長のBill Gatesが同プロジェクトについて発表を行っている。
それからほぼ1年が経過した今日、MicrosoftはProject Elixirのサンプルコードおよび技術仕様書を、Microsoft Developer Networkウェブサイトを通じて公開した。
ウェブサイトによれば、Microsoftが9カ月の期間と50万ドルの費用をかけて開発した「Customer Explorer」プログラムが、同プロジェクトの中核を担っているという。開発に投じた費用や時間は、投資回収を考えれば高くはないと、ウェブサイトには記されている。Microsoftの8000名の営業スタッフがOutlookを経由して同デスクトップアプリケーションを用い、同社のSiebelデータベースを利用することになるという。
サイトには、「現場の営業スタッフは現在、顧客と連絡を取り合う際に使用しているのと同じツールで、顧客データを管理することができる」と記載されている。これにより、営業スタッフはオフィスに縛り付けられず、顧客とより長い時間を過ごせるようになるという。また、他者とのコラボレーションが容易になり、Siebelシステムのデータの質的かつ量的な向上が望めるともされている。
Microsoftは、Officeを単なる個人向けプログラムの集まりではなく、開発プラットフォームとして位置付けようとしているが、Project Elixirもそうした広範な取り組みの一環だ。ElixirのコードはOffice 2003でしか動作しない。そのためMicrosoftでは、同ツールが「Windows Server」およびその他のソフトウェアのアップグレード/販売促進につながるものと見ている。同社の「Visual Studio」開発ツールおよび「SQL Server」も、Elixirプロジェクトで利用されている。
これと関連する取り組みとして、MicrosoftはSAPと協力し、OutlookとSAPのビジネス生産性システムを連携させるソフトウェアの開発も手がけている。2005年12月には、同ソフトウェアのテスト版「Mendocino」が公開されたばかりである。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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