Cisco Systemsは米国時間6日、企業ネットワーク上にあるソフトウェアのパフォーマンスを改善する新たな技術を発表した。
この新技術は、「Application Network Services(ANS)」と呼ばれるソフトウェアで、Ciscoのルータやスイッチなどに搭載される予定だ。同技術を利用することで、従業員が大規模なソフトウェアプログラムにアクセスする際の所要時間が理論上削減され、企業はネットワークを介したアプリケーションの配信を効率化できるようになるという。今回の発表は、カリフォルニア州サンノゼで開催された同社のアナリスト向けカンファレンスで行われた。
Ciscoは、10億ドル以上の利益を生むと同社が考える高成長市場分野を「Advanced Technology」と呼んでおり、ANSはこの分野に属する9番目の技術だと考えている。そのほかのAdvanced Technologyには、IP電話/デジタルビデオ/光通信/SAN(Storage Area Network)/ホームネットワーキング/無線/セキュリティ/小規模企業向けホスティングが挙げられている。
Ciscoはこれまでも、ネットワークにおけるアプリケーション処理の改善に力を入れてきた。2005年に入って、Ciscoは、AON(Application-Oriented Networking)事業部門を発足させ、同社製ネットワーキングハードウェアのさらなる「インテリジェント」化を進めている。AON部門の製品は、送受信される情報を検査したり、設定済みのポリシーに基づいてメッセージをルーティングしたりすることで、「アプリケーションとの連携が可能(application-aware)」なネットワークを実現するという。
ANSソフトウェアは、このようなAONの概念を進化させたものだと、Ciscoは述べる。ANSは、複数のアプリケーションを連係させることで従来に比べて高速かつ安価にサービスを配信しようとする企業を支援する。アナリストらも、Ciscoの新技術は、企業ネットワークを介するサービス配信に焦点を当てた技術の1つになると分析している。
Cisco製ハードウェアで同ソフトウェアを利用すると、業務関連機能は緩やかに連係され、ネットワーク上を容易に移動できるようになる。ただし、あるアナリストは、Ciscoがソフトウェア市場に移行していくわけではないと指摘している。
CIBC World MarketsのアナリストSteve Kammanは、Ciscoは「メッセージの転送状況の把握および配信をそうした個別のソフトウェア機能に託すことで、ネットワークをこの新たなソフトウェアアーキテクチャの基盤としたいと考えている」と、投資家向けの報告書の中で述べた。「同社は長期的な事業計画としてこうした方針を打ち出しており、Ciscoや(IBMなどの)ほかの企業が取り組みを順調に進めることができれば、新たな価値が生まれる可能性は非常に大きくなるだろう」(Kamman)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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