IBMは、エイズ研究にグリッド技術を活用する新しい研究計画に着手した。
IBMが米国時間21日に明らかにしたところによると、この計画では、カリフォルニア州ラホヤに拠点を置くScripps Research Instituteが、世界のスーパーコンピュータランキングの上位10位以内にランクされているIBMのWorld Community Gridを利用して、エイズの原因となる突然変異ウイルスHIVを撃退するために新しい治療ツールを開発するという。
FightAIDS@Homeと呼ばれるこの計画では、17万台以上のコンピュータが持っている未使用の演算能力を活用する。
Scrippsの分子生物学部門のAnderson Research Chair ProfessorであるArthur J. Olson博士は、「この問題に取り組む上での計算処理上の課題は、膨大な数の突然変異が発生する可能性があるため、それらに対してテストされる化合物も膨大な数になる可能性があるという点だ」と述べ、「今回の新しいWorld Community Grid計画では、何百万もの結合された演算処理能力を活用して、化合物と突然変異ウイルスたん白の間で発生する可能性のある相互作用を評価する」と続けた。
IBMが2004年に発表した非営利のWorld Community Gridプロジェクトでは、すでにHuman Proteome Folding Projectと呼ばれる科学的偉業を成し遂げている。Institute of Systems Biology(ISB)と連携して1年間にわたって実施されたこの冒険的事業では、およそ12万種類のたんぱく質の構造をデータベース化した。仮にISBが所有するスーパーコンピュータを用いた場合、同じ作業を完成させるのに100年以上の歳月を要していた可能性がある。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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