MicrosoftがOffice 12のファイルフォーマットを欧州の標準化団体ECMA Internationalに提出すると決定したことについて、業界観測筋が懸念を示している。
Microsoftは米国時間21日、Office 12のファイルフォーマットをもとに、完全にドキュメント化された標準「Microsoft Office Open XML」を完成させるには約1年かかることを明らかにした。
しかし、OvumのリサーチディレクターGary Barnettは、同フォーマットが「本当にオープン」なものになるとは思えないと述べている。
Barnettは「今回の措置は、商用製品のドキュメントフォーマットをオープンであるかのように見せかけるMicrosoftの戦術だ」と述べ、Microsoftのファイルフォーマットがオープンだと言われるに値するのは「同社が、フォーマットのコントロールをあきらめ、標準化団体にアクセス権を与えた場合」のみだと述べる。
Microsoftは、ファイルフォーマットをコントロールし続けることで、自社の都合のよいときにその仕様を変更することできる。そうすることで、同社はこの標準仕様を製品に適用しようとする競合企業に対し、有利な立場に立てるとBarnettは指摘する。
Open Source ConsortiumのエグゼキュティブディレクターMark Taylorも、MicrosoftはOffice 12のファイルフォーマットを、最初に述べていたほどオープンにはしないだろうと述べている。
「(Microsoftは)Officeで築き上げた市場の独占状態を、XMLの時代でも維持したいと考えている。オープンスタンダード分野のゲームで、紳士的な戦いをしたいと考える企業が、この分野の特許取得を考えるだろうか」(Taylor)
しかし、OpenDocumentフォーマットを支持する気運が高まるなか、Microsoftの措置について好意的な見方をする業界観測者もいる。
RedMonkのアナリストJames Governorは「(OpenDocumentフォーマットをめぐる)現行の議論が、Microsoftを少しずつオープンにさせているのだろう」と述べている。
Microsoftはこれまで、自社製品でOpenDocumentをサポートすることを拒否してきた。BarnettとTaylorは、こうした点についても、Microsoftのオープンスタンダードに対する姿勢を疑問視している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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