Microsoftは米国時間15日に、スペインのバルセロナで開かれる「IT Forum」で「Windows Desktop Search」の企業向けバージョンを発表する。同社はこれによりライバル各社への追い上げを図る。
一般ユーザー向けに設計された現行バージョンと同様に、この新しいソフトウェアでは、企業が社内ネットワーク上にある情報の中から、インデックス作成/検索の対象となる情報を指定できるほか、IT管理者が簡単に導入できるようにようになっている。
Microsoftは、Windows Desktop Searchのリリース時に、同ツールのエンタープライズバージョンを発表するとしていた。なお、同社のライバルにあたるGoogleは、今月に入って「Google Desktop」のエンタープライズバージョンを公開している。
MSNシニアバイスプレジデントのYusuf Mehdiは声明のなかで、「われわれが2005年の春に投入したデスクトップ検索ツールに、今回エンタープライズクラスの新たな機能強化を行った。これにより、ITプロフェッショナルはさらに生産性を高め、IT管理コストを削減し、自らの所属する組織全体により使いやすいツールを提供できることになる」と述べている。
Microsoftは2004年12月にデスクトップ検索ツールのベータ版を、そして2005年の5月には正式版をそれぞれリリースしていた。同社によると、新しい企業向けバージョンは15の言語に対応するという。
デスクトップ検索は、Microsoft、Google、Yahooなど、インターネット検索関連のすべての企業にとって勝敗の鍵を握る戦いの場となっている。
今回発表されるMicrosoftの企業向けデスクトップ検索ツールは、現行バージョンとほぼ同じ機能を持つが、新たにイントラネット上の情報も検索可能になっている。ただし、同ツールはMicrosoftの「SharePoint Server」やサードパーティ製品など、企業内にあるポータルページへのゲートウェイ機能を提供するだけで、社内ネットワーク上をクロールして集めたデータのインデックス化を行うといった機能はない。
Windows Desktop Searchのエンタープライズバージョンでは、WindowsやOfficeへの検索機能の統合がさらに進んでいる。たとえば、Windows XPの検索枠から検索を行う場合、これまでは同OS内蔵の検索機能が使われていたのに対し、新ツールの導入後はWindows Desktop Searchがデフォルトになる。Windows XP内蔵の検索機能はインデックス化の対象範囲が限られているため、検索速度が遅かった。
また、Outlookの「MSN Toolbar」から検索を行うと、これまでは別のウインドウがポップアップしてそのなかに検索結果が表示されていたが、新ツールではこれがOutlookの枠内に変わっている。
一般ユーザー向けのバージョンでは、Windows Desktop SearchはMSN Toolbarの一部となっているが、エンタープライズバージョンではWindows Desktop Searchだけを導入することも可能だ。
Microsoftでは、この新しい機能を一般ユーザー向けのバージョンにも追加したいと考えている。「今年中に一般向けバージョンにもよく似た機能を追加することを検討している」と同社の製品企画担当、Heather Friedlandは述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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