サンフランシスコ発--Microsoftが米国時間7日、これまで何度も発売が延期されていた同社のデータベースプログラムおよび開発ツールの新バージョンを公開した。
同社CEO(最高経営責任者)のSteve Ballmerは、当地のMoscone Westコンベンションセンターで開かれたイベントで、「SQL Server 2005」「Visual Studio 2005」を正式に発表するとともに、「BizTalk Server」の新しいベータ版を公開した。
Ballmerは、これらの新バージョンが大幅な進化を遂げたとしたうえで、「登場が多少遅れた」ことも認めた。たとえばSQL Serverの場合、現行バージョンのリリースからすでに5年が経っている。
「少なくとも、もう少し早い開発サイクルが望ましい」(Ballmer)
Microsoftはこれらの標準版に加え、無料で使える「エクスプレス版」のSQL Serverと、49ドルのエクスプレス版Visual Studioも発表した。ちなみに、Oracleは先週、同社データベース製品の機能限定版を用意し、これを無料で公開する計画を明らかにした。
「われわれは今回の一連のリリースで、どのユーザーにも何らかの新機能を提供することを目標にしている。ウェブ開発者、学生、マニアなど、さまざまな開発者がいることを忘れてはいない」(Ballmer)
Microsoftは、小規模企業向けとなるSQL Serverの「Workgroup Edition」も発表した。こちらの価格は1プロセッサあたり3899ドルとなっている。
SQL Serverの「Standard Edition」は、1プロセッサあたり4999ドルから5999ドルへと値上げされたが、「Enterprise Edition」の価格は1プロセッサあたり2万4999ドルに据え置かれている。
MicrosoftはメインとなるVisual Studio 2005と同時に、プログラマー、テスター、デザイナーらをターゲットにした「Team System」というハイエンド版も投入した。「Visual Studio 2005 Team Suite」は価格が1万939ドルからとなっており、約500〜5000ドルで販売されるサーバソフトウェアコンポーネントと併用される。
Microsoftは先月後半に、Visual StudioとSQL Serverの両新バージョンの開発が終了したことを明らかにしていた。
現在ベータテスト中で、来年前半に発売される「BizTalk 2006」は、さまざまアプリケーションをリンクする目的で設計されている。Microsoftは当初、同製品の正式版を来年第1四半期までに出す予定だったが、「確実に出せる日程になるよう」タイミングをずらしたと、ある幹部は説明した。この統合用ソフトウェアは、異なるアプリケーション間でデータ送信を行い、各種のドキュメントフォーマット間の変換作業などを行う。
Microsoftはこの日、BizTalk 2006向けに、「Oracle eBusiness Suite」や、Peoplesoft、Siebelなどから出ているパッケージアプリケーション用のアダプタが無償で用意されることも明らかにした。
同社の幹部らによると、BizTalk 2006ではワークフローの自動化関連機能を充実させ、RFIDリーダからのデータの読み込み/処理も実現するという。
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