今後、Windowsに最新のアドオンを追加するユーザーは必ず、自分の使用するオペレーティングシステム(OS)が正規品であることを証明しなくてはならなくなる。
全世界で米国時間26日より、Windows XPのアドオンをダウンロードしたいと考える顧客に対し、違法コピー対策を目的とするこの確認手続きが義務付けられる。
この確認手続きが不要なのはセキュリティ関連のパッチのみ。セキュリティアップデートはシステムがこのテストにパスしたかどうかに関係なく、すべてのWindowsユーザーに手動もしくは自動で提供される。ただし、新たなパッチが公開されたことを告知する「Microsoft Update」や「Windows Update」を利用するには、この確認手続きを受けることが求められる。
Microsoftは、実際に代金を支払って同社のソフトウェアを購入したWindowsユーザーの数を増やすため、「Windows Genuine Advantage」という取り組みを強化している。今回世界的に義務付けられる確認手続きも、このWindows Genuine Advantageの一環として行われるものだ。同社の推定によると、現在全世界で出まわるWindowsの約3分の1が違法コピーだという。
「われわれは本当に違法コピーを使う人の割合を減らしたいと考えている」とWindows GenuineプログラムディレクターのDavid Lazarは述べた。
デスクトップ市場におけるWindowsのシェアが90%を大きく上回っているなかで、同OSの違法コピーを取り締まることは、MicrosoftがWindowsビジネスを成長させるための数少ない方法の1つと見られている。Microsoftはそのほかに、1世帯あたりのPC保有台数を増やすことや、新興市場でのコンピュータ利用を拡大させることを、Windowsの売上を拡大させる方法として挙げている。
Windows Genuineの取り組みで、Microsoftがどの程度違法コピーを減らしたいと考えているのかについて、Lazarはコメントしなかった。しかし、同氏は、正規品のOSと違法コピーされたものの区別をはっきりつけていく必要があることをMicrosoftでは認識していると述べた。
「そのための方法の1つとして、われわれは正規のWindowsの価値を高めようとしている」(Lazar)
その一部として、同社は確認テストをパスしたユーザーに無償提供するプレゼントの数を増やしてきている。また、同社は確認用のオンラインツールをさらに洗練させ、ユーザーがわざわざWindowsの製品コードを入力しなくても済むようにしている(Windows Genuineプログラムの試験運用段階では、そうしたケースが何度か見られた)。
一方、この確認手続きに通らなかったユーザー(のPC)には2つの選択肢が与えられる。その1つはMicrosoftに、自分のWindows OSのCDを送付し、自分がそれを買った証拠として見せ、さらに違法コピー報告書に記載するというもので、これを選んだユーザーは無償で正規のWindowsを手に入れる資格が得られる。また、CDや購入証明書はないが、違法コピー報告書に記入したユーザーは、Windows XP Home Editionを99ドル、またはWindows XP Professional Editionを149ドルで手に入れられる。これらの価格はWindows XPのアップグレード版よりも高いが、まったく新規に同OSを購入する場合よりも安い価格に設定されている。
Microsoftは2004年9月から、Windows Genuineプログラムのテスト運用を行っている。当初はテストをパスしたユーザーに何のメリットもなく、また確認プロセスをパスしなかったりあるいはそれを回避したりしたユーザーにも何のペナルティも与えられなかった。だが、その後徐々にMicrosoftは特典を追加しながら、このプロセスを必須のものにしようとしてきた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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