ウェブ標準技術の専門家らが、ウェブ作成者がスクリプトを書き続けられるよう、タスクフォースを立ち上げた。
Web Standards Project(WaSP)は米国時間18日、「DOM Scripting Task Force」を立ち上げた。同タスクフォースでは、World Wide Web Consortium(W3C)が策定したDocument Object Model(DOM)のようなウェブ標準仕様の普及を促進し、標準仕様の整備が比較的進んでいないスクリプト記述におけるガイドラインを策定することを目標にしている。
「JavaScriptを使った開発手法は現在、時代遅れで、情報が不足し、アクセスしづらいという問題を抱えている。そのため、JavaScriptの能力が十分に発揮されず、その影響はウェブ開発全般に及んでいる」と、同タスクフォースのJavaScript Manifestoには記載されている。さらに「WaSPのDOM Scripting Task Forceでは、現代的で、標準に準拠し、利用可能なウェブ開発のベストプラクティスをベースにした考え方に基づくDOMスクリプティングを採用して、この問題を解決することを提案する」と同団体は述べている。
W3Cは、ウェブページ内の要素を、スクリプトが個別に操作できるようにするための手法としてDOMを推奨している。JavaScriptやMicrosoftのJscript、そしてこの2つの要素を併せ持つECMAのECMAScriptのようなスクリプト言語では、ポップアップウィンドウを開いたり、訪問者に向けたメッセージを表示させる際の記述が異なっている。
WaSPは7年前に特定のブラウザ--たいていの場合は市場シェアの高いIE向けに限定したスクリプトが書かれている状況を解決するために設立されたが、DOM Scripting Task Forceも同じ目標を掲げている。
「Windows版IEが市場の80%を占めているからといって、(Windows版IE向けに作成したスクリプトが)すべての環境で動作するわけではない」とWaSP創立メンバーであり、『JavaScript for the World Wide Web』の共著者でもあるDori Smithは述べる。「私は、(Apple Computerのブラウザである)Safariを主に使っている。そのため、この問題を常に実感している。われわれは長年、この点について議論してきたが状況は変わっていない。さらなる啓蒙活動が必要だ」(Smith)
WaSPは、同タスクフォースの設立に際して、今日のウェブプログラミングのモデルを構造(XHTML)、レイアウト(Cascading Style Sheet:CSS)、動作(DOMベースのスクリプティング)の3本足を持つスツールに例えた。
同グループは、特定のブラウザ向けに記述された目障りなDOMベースのスクリプティングが、スクリプトの評判を落としていると指摘した。
「JavaScriptが考えられた目的は、ウェブページに双方向性を持たせ、その使い勝手を向上させるためだった。しかし残念ながら、この目的はプログラマが己の知識をひけらかすために、ポップアップ画面を表示させたり、ステータスバー欄にメッセージをスクロールさせたりするなどの言い訳に使われている。さらにもっと始末に負えないのは、これらのサイトでは、アクセシビリティが犠牲になっていることだ」と、WaSPのマニフェストには書かれている。
スクリプト言語は、GoogleがGmailやGoogle Mapsサイトなどの高機能なウェブベースアプリケーションの構築に成功したことにより、再び注目されるようになってきた。これらのサイトでは、AJAX(Asynchronous JavaScript+XML)を利用して構築されている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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