Microsoftは米国時間5日、リリースが待たれているCRM(Customer Relationship Management)ソフトウェアのアップデートに関する詳細を発表した。同アップデートは、新たなツールを備えるほか、オンデマンドアプリケーションの配信モデルを介して利用可能になるという。
今回発表された新アプリケーションセットは、「Microsoft CRM 3.0」と称されることになる。同製品は、Microsoftが今週それぞれ欧州および米国で開催する、Tech Ed 2005カンファレンスとWorldwide Partner Conference 2005に向けて、開発が進められてきた。
製品のバージョンは3.0となっているものの、同パッケージは、Microsoftが市場に投入するCRMアプリケーションでは2番目のメジャーリリースとなる。同社がCRMシステムを初めて発表したのは2003年1月だが、新バージョンのリリースはそれ以降たびたび延期されてきた。
2月には、プログラムのアップデートが年末までかかったという理由で、Microsoftは同ソフトウェアの拡張版の発表を保留している。同CRMパッケージは2005年第4四半期中に製造が開始され、2006年初頭には大半の顧客が利用できるようになる。ただし、Microsoftのパートナーは7月にアプリケーションの試用を始めるという。
同社のCRM部門ゼネラルマネージャBrad Wilsonは、同アプリケーションに強力な機能追加を施し、パッケージをオンデマンドサービスとして提供できるようになるまで、Microsoftはアップデート版のリリースを控えたかったと話している。同氏はさらに、Microsoftは、CRMツールと「Office」デスクトップソフトウェアパッケージに緊密な連携性を持たせるとともに、同システムの操作性の向上や導入の迅速化を図ってきたと述べた。
「市場に流通している製品の中でも、最も操作性のよいCRMシステムを目指したい。一部の企業は非常に複雑なシステムを必要としており、多数の付加機能を提供するCRMベンダーを好むかもしれないが、Microsoftは中小企業および企業の一部門を顧客対象としている。こうした顧客は、操作性の向上を望んでいる」(Wilson)
Microsoft CRM 3.0ではさまざまな機能がアップデートされているが、これに加え、同社の最初のCRMアプリケーションには含まれていなかった、CRMシステムではおなじみのマーケティング自動化ツールも搭載されることになる。同ソフトウェアにはまた、顧客リストを管理したり、広告/販売キャンペーンをトラッキングしたり、あるいはそうした取り組みに対する顧客からの反応を分類したりするためのツールが含まれている。
このほか同製品では、CRMシステムと併用する、ニッチマーケット向けの特別仕様アプリケーション開発のサポートが強化され、また、特定のビジネスプロセスをカスタマイズする方法が拡張されるという。さらに、Microsoftの「Outlook」電子メールソフトウェアのカレンダーと直接連動する、より強力なスケジュールツールも搭載される予定だ。
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