Red Hatは米国時間3日、無償版Linux「Fedora」の運用に関する変更を発表した。同社は、Fedoraの著作権および開発作業を外部組織Fedora Foundationに移管するとしている。
以前のRed HatはLinux製品を1種類しか提供していなかったが、2002年初頭にこの製品を商用の「Red Hat Enterprise Linux(RHEL)」と、無償のFedoraとに分割した。しかし、外部からの助力を広く求めていくというFedoraプロジェクト本来の目的は、なかなか達成できずにいた。
これは、Red Hatが、RHELに追加する予定の諸機能を短期間で成熟させるための実験の場としてFedoraを利用していたため、プログラマらがこれをRed Hatプロジェクトの一環であるととらえていたからである。Red Hatはここへ来て、Fedoraを独立させることを決断した。
Fedora Foundationの設立は、Fedoraの新版がリリースされる直前に発表された。新バージョンである「Fedora Core 4」の出荷は、米国時間6日の予定。Fedora Core 4は多様なプロセッサに対応し、1台のコンピュータ上で複数のオペレーティングシステム(OS)を稼働させる「Xen」ソフトウェアや、GCC(GNU Compiler Collection)コンパイラのバージョン4などを搭載するという。
Fedoraプロジェクトを活性化させることは、RHELの改良に役立つというばかりでなく、さまざまな点でRed Hatにとって重要だ。同プロジェクトが活発になれば、Red Hatがオープンソースプログラミング分野で他社と力を合わせているというイメージが強まるし、新たにRHEL顧客を獲得するための経路も確保できる。また、「Gentoo」や「OpenSolaris」といった競合製品がひしめくオープンソースOS分野で、Red Hatが中心的な役割を果たし続けるための布石にもなる。
同社は数カ月前に、Fedoraのソースコードレポジトリを公開し、部外者によるコードの改良を容易にしている。さらに、サーバが基礎的なソースコードから自動的にFedoraを生成できるよう改良し、さまざまなコンピュータ上で新たなバグを迅速に発見できるようにもした。
こうした一連の取り組みの最新のものが、今回のFedora Foundationの設立だ。Red Hatの法律顧問代理Mark Webbinkは、米国時間3日に開催された同社初のユーザーカンファレンスにおいて、同団体はFedoraに加えられたコードの著作権管理をRed Hatに代わって行っていくと述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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