CNET News.comが入手した情報によると、Advanced Micro Devices(AMD)は今月、デュアルコアを搭載する新しいOpteronプロセッサを発表する予定だという。
AMDは4月21日にニューヨークで開催するイベントで、同社初のデュアルコアOpteronを発表する。これは、同社の状況に詳しい情報筋が明らかにしたもので、同チップの発表は予定よりも数カ月前倒しとなる。AMDはまた、パソコン用のデュアルコアチップを6月に発売することも発表すると見られている。
この情報筋によると、AMDではデュアルコアチップの早期普及を促進するために、一部のチップを現行のシングルコアモデルと同じ価格で販売する予定だという。同社は、4〜8wayサーバ向けのハイエンドモデルである800シリーズのOpteronを先にリリースし、ローエンドの200シリーズについては5月に発売すると見られている。
同社はこれまで、デュアルコアOpteronを今年の夏に発売するとしていた。ただし同社CEOのHector Ruizは2月に、これらのチップの製造が順調に進んでいることをほのめかす発言をしていた。
この件について、7日夜にAMDにコメントを求めたが、回答は得られなかった。
AMDは、Pentiumのようなx86プロセッサの市場では、Intelの動きに追従していた。だが、Opteronの発売により、64ビット環境への移行でIntelに先行することに成功した。Opteronは64ビット拡張機能に対応する初めてのx86プロセッサで、4Gバイト以上のメモリを扱うことが可能だ。Intelが同様の機能をXeonのすべてのモデルに搭載したのは2005年3月のことだった。
AMDは、デュアルコアチップの優位性を強力に打ち出そうとしている。デュアルコアチップでは、それに最適化されたソフトウェアを組み合わせることで、大幅な処理能力の向上が可能になる。Intelでは、6月末までに初のデスクトップ用デュアルコアチップを出荷する予定だが、サーバ向けのデュアルコアチップについては、ハイエンドおよびローエンドのモデルとも、2006年初めまで登場しない。
しかし、Intelは手強い競争相手だ。Gartnerによると、AMDはIntelより1年以上も先に64ビットチップを投入したが、2004年にはOpteron搭載サーバの売上が、64ビットXeonを搭載するサーバの売上に追い抜かれてしまったという。また、Intelは最大の顧客であるDellを説得し、AMD製チップの採用を阻止することに成功した。
Dellの例を除くと、サーバ向けチップ市場におけるAMDの状況は改善している。サーバメーカー大手4社のなかで真っ先にOpteronの採用を表明したIBMとの関係強化が、その一例だ。ただIBMは最近になって、Hewlett-PackardやSun Microsystemsほど積極的にはOpteronを売り込まなくなっている。
情報筋の話では、21日のデュアルコアOpteronの発表時に、IBMが同チップを搭載する新しいブレードを発表すると見られているという。これまで、IBMのブレードサーバには、同社のPowerPC 970かIntelのXeonしか採用されていなかった。この件に関するIBMのコメントは得られていない。
デュアルコアOpteronの予想価格は、Opteron 265が851ドルで、Opteron 275が1299ドル。また800シリーズについては、Opteron 865が1514ドルで、Opteron 875が2649ドルとなっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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