Microsoftはこれまで、Windows XPを使用している企業に対し、同オペレーティングシステム(OS)をアップグレードし、新たに追加されたセキュリティ機能を利用するよう促してきた。しかし、最近発表された調査によると、企業で利用されているWindows XPマシンのうち、Service Pack 2(SP2)にアップグレードされているのは全体のわずか4分の1にすぎないという。
カナダの資産管理会社AssetMetrixが現在企業で使用されている13万6000台のコンピュータを対象に行った調査によると、Windows XPが搭載されていたコンピュータは全体の3分の1以上に上ったが、そのうちSP2が適用されていたのはわずか24%に過ぎなかったという。
2004年にSP2が発表された当初は、各企業ともSP2への移行に慎重だった。しかし、大半の企業はSP2の適用を意識的に遮断していたわけではなく、単に多くのコンピュータユーザーがアップグレードしていなかっただけのことであったことが、AssetMetrixの調査で明らかになった。10台以上のコンピュータでWindows XPを使用する企業207社を対象に調査を行ったところ、およそ4割が社内の全Windows XP端末へのSP2適用を見送っていた。また逆に、全体のおよそ8%の企業が社の方針として、全てのWindows XP搭載コンピュータへのSP2適用を強制していた。
「(SP2を採用するか否かを)明確に決めている企業は少ない」と語るのは、AssetMetrix Research LabsのマネジングディレクターSteve O'Halloranだ。「多くの企業では、SP2がインストールされたコンピュータとそうでないコンピュータが並存している状態だ」
小規模企業の方が大企業より、社内の全コンピュータにSP2をインストールしている割合が高かった。だが全体的には、一部のWindows XP搭載端末にのみSP2をインストールする傾向が多く見られた。
Microsoftの広報担当は、AssetMetrixが発表した調査結果は同社の予測と一致しており、同社では、SP2が多くの大企業に行き渡るまでに1年〜1年半かかると予想していると述べた。
Microsoftによると、同社が2004年末に顧客企業800社を対象に実施した調査の結果、全体の4分の3の企業が2005年中頃までにSP2の導入を計画していることが分かったという。中でもMicrosoftが特に強調したのがMerrill LynchとHolland & Knight法律事務所の2社だ。Merrill Lynchは向こう数カ月以内に5万台のデスクトップPCにSP2を導入する予定だ。またHolland & Knightは先ごろ、3500台のデスクトップPCにSP2を適用した。
しかし、間もなく、SP2を適用したWindows XPマシンを利用している人が突如増えたことに多くの企業が気付くことになるだろう。これまで企業は、たとえ個々のコンピュータのWindows自動アップデート機能が有効になっていても、それらのコンピュータがMicrosoftのサーバからSP2をダウンロードするのを防ぐことができた。しかし、SP2の配布を一時的に無効にするこのツールが有効なのは4月12日までとなっている。この期間が終了すると、Windows XPを搭載し、かつ同OSの自動アップデート機能が有効になっている全てのコンピュータにSP2がインストールされる。
Microsoftは2004年8月にSP2遮断ツールを発表し、その1カ月後、顧客がSP2を遮断できる期間を2005年4月12日まで延長した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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