Windowsは5年間もメジャーアップデートが行われていないため、来年リリースされるLonghornには多くの人が飛びつくだろう、と普通ならそう思うかもしれない。しかし、MicrosoftがLonghornの売り込みに苦労する可能性がある、と複数のアナリストが述べている。
Windowsはこれまで何度かアップデートされているが、ユーザーはそのたびに安定性とセキュリティ機能の強化を強く求めていた。しかし、Windows XPに対しては彼らはかなり満足しているとアナリストは言う。Jupiter ResearchアナリストのMichael Gartenbergは、「今回ばかりは、Microsoftも『十分満足のいく(OS)』を持つベンダーとしての課題に直面する」と述べている。同社は、Officeで数年前からこのような課題に直面してきたが、Windowsでこうした問題が起こったのは比較的最近のことだ。
Microsoftは、Windows 95を発売した際、主力報道機関や消費者を巻き込み、これを一大イベントに仕立て上げた。しかし、それ以降の発売イベントはトーンダウンし、特に2001年9月11日の同時多発テロのわずか数週間後に行われたWindows XPの発売イベントはとても静かなものだった。Gartenbergによると、XPからLonghornへのアップグレードの間隔はこれまでになく長くなるものの、それでもMicrosoftではLonghornの需要喚起に向けた努力が必要になってくるという。
「Microsoftは、Steve Jobsのやり方を見習い、外観だけでなく操作感でも関心を引くOSを作り上げる必要がある」(Gartenberg)
本来Longhornは、MicrosoftがWindows 95で達成したような「飛躍的な発展」を遂げるものになるはずだった。同社が初めてLonghornに言及したのは、2003年秋の開発者向けカンファレンスの時で、この際に同社はLonghornが出ることでWindowsが大きく進化することになると述べ、さらにこれが他の同社製ソフトウェアの重要なアップグレードと密接に結びつくことになると語った。
しかしMicrosoftは昨年、同OSの発売が大幅に遅れる見通しとなったことを受け、重要ないくつかのコンポーネントを切り捨てた。そして、Longhornで目指した野望も一部をあきらめてしまった。
その結果、MicrosoftはWindowsの新バージョンをスケジュール通り来年投入できるようになったが、ただし同OSにどのような機能が搭載されてくるかは明確になっていない。
「Longhornがクライアント版Windowsの次期バージョンであることは明らかだ。しかし、それ以外は何もわかっていない」(Gartenberg)
Microsoftは来月シアトルで、Windows Hardware Engineering Conference(WinHEC)を開催し、Longhornの最新プレビュー版を提供するが、これによって情報がもっと明確になるはずだ。また6月には、さらに機能の充実したベータ版の登場が約束されている。
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