IBMは、コンピュータ産業の主要なマーケットであるサーバ市場で、2004年も引き続き競合を下して首位となった。同社では、x86チップとUnixオペレーティングシステム(OS)を搭載するモデルの売上が増加している。
調査会社Gartnerの米国時間23日の発表によると、IBMの2004年のサーバ売上高は、2003年から9.3%増加し、161億ドルになったという。市場自体は7.2%成長して495億ドル規模となったが、IBMの成長率はこれを上回っている。
一方、Dellの成長率はIBM以上で、売上は前年比20%増の48億ドルとなった。それでも、売上が6.7%伸びて134億ドルとなった第2位のHewlett-Packardや、売上が4.0%減少して売上52億ドルとなった第3位のSun Microsystemsには及ばなかった。
IBMはここ何年も、サーバ市場でトップの座を守っている。IBMは、1990年代後半には上昇機運にあったが、その後低迷しているSunの追撃もかわした。同社は現在では、x86チップを搭載したよりハイエンドなサーバの競合としてDell製品を、Power5プロセッサ搭載サーバの競合としてHPのItaniumベース製品を標的としている。
GartnerのアナリストMike McLaughlinは、「IBMは、Power5サーバをうまく利用して、同社サーバの導入層を広げ、Intel搭載サーバのユーザーにこれを高く売りつけることができた」と分析する。
Unixサーバ市場は2004年に2.8%減少して162億ドル規模となったが、IBMはここでも成長を見せている。Sunのシェアが32.6%から31.8%へ、HPのシェアが31.9%から30.2%へ下落した中、IBMは逆に24.3%から26.7%へとシェアを伸ばした。
HPは、システムのプロセッサを自社のPA-RISCからIntelのItaniumへ軸足を移した頃から、Unix市場では苦戦を強いられるようになった。McLaughlinは、「Itaniumが市場に出回るペースは、PA-RISCが市場から消えていくペースに追いつけていない」としている。
これとは反対に、IntelのXeonやAdvanced Micro DevicesのOpteronなどのx86プロセッサを搭載するサーバは売上が劇的に伸び、同市場は16.4%成長して232億ドル規模となった。トップを走っているのはHPで、マーケットシェアは32.6%である。ただし、成長率はマーケット自体のそれには及ばず、14.1%となった。第2位のDellは19.6%という高い成長率で、シェアは20.5%。第3位のIBMは、成長率が22.4%、シェアが18%だった。
Dellの増収は、主にシングル/デュアルプロセッサモデルの成長によるものだ。逆に、4ウェイプロセッサモデルの売上は3%減の6億3300万ドルであったと、McLaughlinは述べる。
IBMはまた、サーバ市場全体より速いスピードで成長している2つの分野でも、リードを保っている。1つ目がLinuxの稼働するサーバで、その市場規模は50.9%増の49億ドルとなった。2つ目は、共有シャーシに並べて挿入する薄型サーバ、ブレードサーバで、こちらの市場規模は前年比123%増の12億1000万ドルだった。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス