ボストン発--オープンソースソフトウェアベンダーのMySQLは、同社のデータベース製品を法人顧客にとってより魅力的なものにするための取り組みのなかで、料金体系とライセンス条件を一新した。
同社は米国時間15日に、当地で開催中のLinuxWorld Conference and Expoで、MySQL Networkを発表すると見られている。このサブスクリプションサービスでは、MySQLのソフトウェアとサポートサービスを利用する権利に対して年間契約料を支払うことになる。
このサービスに契約した顧客は、GPL(General Public License)に基づいてMySQLのソフトウェアを利用できる。MySQLはこれまで、法人顧客に対しては商用ライセンスを適用する一方、同社のソフトウェアを無料でダウンロードし、サポートサービスなしで利用するユーザーに対してはGPLを適用していた。
法人顧客向けにもGPLを採用することにしたのは、ライセンス条件を単純化するためだと、MySQL最高経営責任者(CEO)のMarten Mickosは述べている。
「ライセンスをめぐる話し合いは不必要なものだった。企業各社の最高情報責任者(CIO)は、ライセンス条件に関する説明など聞きたがらない。商用ライセンスを使い続けても、派生物とは何かをめぐって余計な議論が生まれるだけだ」(Mickos)
MySQLは、同社のデータベースを他の製品に組み込む他のソフトウェアベンダーのような顧客に対しては、引き続き商用ライセンスを適用していく。
MySQL Networkプログラムを通して、顧客はMySQLデータベースの認定版やサポートサービス、法的補償と技術情報の「ナレッジベース」を利用できる。またMySQLは、バグや新機能に関する最新情報を提供するアラートサービスも導入し、ソフトウェアのインストールに関する支援も行う。
Mickosによると、サポートサービスと法的補償を組み合わせ、それをサブスクリプションサービスに組み込んだことで、MySQLはオープンソースソフトウェアを利用する際のリスクを抑えたいと思っている法人顧客にアピールするはずだという。
顧客はサーバの台数と契約年数に基づいてMySQL Networkサービスを購入する。また、同社はサポートのレベルの違いによって料金が異なるサービスを用意する。
Mickosによると、新しい料金体系では、たとえば24時間のサポートサービスが最低で年間4995ドルから受けられるという。これまでなら、このレベルのサービスを受けるためには約5万ドル相当の契約を結ぶ必要があった。さらにエントリーレベルの料金は年間595ドルとなった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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