NovellがLinuxに重点的に取り組んでいるため、既存アプリケーションのサポートが打ち切られてしまうのではないかと、一部のユーザーが懸念を抱いている。
Novellの幹部は現地時間27日、ロンドンで開催中の「Linux Big Picture Event」で、新製品の「Open Enterprise Server(OES)」について詳細を発表した。この製品は、同社の「NetWare」オペレーティングシステム(OS)と「SuSE Linux Enterprise Server 9」を統合したものである。
NovellのLinuxソリューション部門で欧州担当責任者を務めるBrian Greenが基調講演で説明したところによると、OESは、NetWareユーザーにLinux用アプリケーションの利用環境を提供し、SuSE Linuxユーザーには、Linux上でNetWareのサービスを利用する環境を提供するものだという。
Greenは、「SuSE Linuxは安定した、かつ安全なプラットフォームであり、ビジネスアプリケーションを稼動させるのに適している」と述べ、「OESでは、ネットワークサービスをNetWareカーネルから切り離し、Linux上でも利用可能にした。NetWareユーザーがこれまで使用してきたファイルシステムやプリンタ共有などのあらゆるサービスを搭載し、Linuxでも使えるようにした」と付け加えた。
Novellの関係者の発表では、OESは2月中旬にリリースされる予定だという。
しかし、NetWareユーザーの一部には、NovellがLinuxやオープンソースアプリケーションを推進する過程で、同社のオープンソース製品と機能などが重複する既存アプリケーションのサポートが打ち切られるのではないかという不安が広がっている。特に、グループウェアツール「GroupWise」は、新たなオープンソース製品としてNovellが力を入れて開発する「SuSE Linux Openexchange Server and Evolution」が同様の機能を持つことから、今後のサポート体制が懸念されている。
英Royal National Lifeboat InstitutionのISサポートマネージャJames Cunningtonも、NovellがGroupWiseのサポートを真っ先に打ち切るのではと危ぶんでいる1人だ。
Cunningtonは、「われわれはGroupWiseを電子メールシステムとして利用している。だが、その命も風前の灯火のようだし、早急に代替手段を考えなければならない」と語った。
同氏は、NetWareの未来ですら楽観視していない。「NetWareのマーケットシェアは年々落ち込んでいる。こちらも検討しなければならない」(Cunnington)
一方、労使騒動の仲裁を行う英ACASでICT(情報通信テクノロジー)サービス部門長を務めるSebastien Springbettは、GroupWiseのサポートは早晩打ち切られるだろうが、ほかのツールへの乗り換えをNovellが最大限支援してくれるはずだと期待している。また、しばらく先のこととはいえ、やはりNetWareの寿命は尽きかけているとも語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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