Microsoftのある上級幹部が、Oracleによる買収が承認された今こそ技術の移行を検討した方がよいのではないだろうか、とPeopleSoftの顧客に対して注意を促している。
MicrosoftバイスプレジデントのBill Veghteは、米国時間15日付けの電子メールのなかで、「OracleによるPeopleSoft買収が前進しているのかもしれない。だが、その先には難しい技術判断が待ち受けている。ビジネスアプリケーションを所有し維持していくことの難しさは今後も変わらない」と述べた。CNET News.comはこの電子メールを入手した。
この電子メールは、顧客にPeopleSoft製品をほかのプラットフォームからWindowsに移行させるという選択肢に重点を置いているが、PeopleSoftからSAPやMicrosoftなど別のベンダーへの乗り換えを希望する顧客の存在についても言及している。
「技術の方向性やプラットフォームの整合性をもっと明確にしたいと考えるPeopleSoftの顧客には、Microsoft Business Solutionsや、SAPなどのパートナー各社が開発するMicrosoftプラットフォーム用ERPソリューションといった、別のERPソリューションへの移行も新たな選択肢として考えられる。Microsoftのプラットフォームは、業界をリードするERPベンダー各社が真っ先に選ぶプラットフォームとして、ますます勢いを得ている」(Veghte)
Oracleの広報担当もPeopleSoftの広報担当も、Veghteのメールに関するコメントを控えた。
Oracle対PeopleSoftの10数カ月に及ぶ戦いは、Oracleが提示した100億ドル以上の買収提案にPeopleSoftが同意して13日に決着した。PeopleSoftは数カ月にわたってOracleの入札額を拒絶し続け、米司法省も独禁法をたてに買収阻止を試みた。
Microsoftは両社の合併に反対する司法省側の証言に立ち、同社には大企業向けビジネスソフト市場でPeopleSoftと競合する意向はなく、中小企業向けソフトにしか重点を置いていない、との証言を行った。Microsoftはさらに、OracleがPeopleSoftに合併を提案したのを受けてSAPと合併交渉を行ったことも明らかにした。
15日のVeghteのメールは、PeopleSoftの顧客に対し、IBM AS/400や各種メインフレームシステムからWindowsサーバへの移行を検討させることにその大半を割いていた。Microsoftは今週はじめ、AS/400やIBM iSeriesサーバを利用中の顧客の獲得を目指し、複数のパートナーと共同でマーケティング構想を立ち上げた。
Microsoftはとりわけ、Unixシステム上でOracleのデータベースソフトを使う顧客に対しWindowsに乗り換えるメリットを強調している。
「AS/400やメインフレーム上で動くUnixシステムから、Microsoft WindowsとSQL Serverが動くIntelベースのサーバへとプラットフォームを移行すると、アプリケーションのコストを削減でき、複雑さも減少できる」と Veghteは記し、さらにACE Insuranceという顧客はUnixベースのOracle環境からWindowsベースのサーバに切り替えたことで、総コストを15%も引き下げることができたとしている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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