米エネルギー省は米国時間4日にもIBMの「Blue Gene/L」が世界最速のスーパーコンピュータであることを示すテスト結果を発表する計画であることが、CNET News.comの調べで分かった。
同省では、IBMのBlue Gene/Lが70テラフロップ(1秒間に70兆回の計算が可能)以上のパフォーマンスを記録したと発表する予定だと、テストに詳しい関係筋が述べている。この数値は、ミネソタ州ロチェスターにあるIBMの研究所で計測された。現在IBMの研究所に設置されている同システムは、来年カリフォルニア州のローレンス・リバモア国立研究所に移管される予定だ。
スーパーコンピュータのTop500リストは8日に発表される予定だが、Blue Gene/Lのテスト結果はその数日前のタイミングにあわせて発表される。Top500リストとは、世界最速のスーパーコンピュータをランキングしたものである。米政府当局の関係者らは2002年6月以来、35.9テラフロップを記録したNECの「地球シミュレータ」のような日本製マシンが、Top500リストのトップに載り続けていることに関して、しばしばいら立ちを覚えていた。
他のライバルが現れない限り、今回はBlue Gene/Lがリストのトップに輝きそうだ。IBMでは、この件に関するコメントを控えている。リバモア研究所のある関係者は、この発表が4日に行われる予定であることを認めているが、詳細に関するコメントは断っている。
このパフォーマンス競争には、自慢のしあいや国家威信の顕示以上の意味がある。米エネルギー庁長官のSpenser Abrahamは今年2004年、米国が科学分野で突出した地位を維持するためには最先端のスーパーコンピュータが必要だと述べている。
Blue Gene/Lのパフォーマンスは、先週Silicon Graphics Inc.(SGI)が「Columbia」で出したと主張する記録を余裕で上回る。スーパーコンピュータColumbiaはNASAのために構築され、42.7テラフロップのパフォーマンスを誇る。同システムは、フル構成で行った別のテストで51.9テラフロップの記録を出しているが、その結果は一般には発表されていない。
このことから、ColumbiaがTop500リストの第2位につけることが予測される。Columbiaのパフォーマンスのおかげで、NASAでは5日間分の天気予報の的中率が78%から90%へと向上するほか、さらなる詳細情報を得ることができるようになり、結果伝達の迅速化も図られると、NASAのミッションディレクターでColumbiaにおける科学研究を統括するGhassem Asrarは述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力