デスクトップLinuxの台頭
デスクトップLinux市場は現在活況を呈している。PC販売台数2位のHewlett-Packard(HP)は、直近の四半期に約20万台のLinux搭載PCを出荷した。HPの国際Linuxマーケティングマネジャー、Jeffrey Wadeによると、これは前年同期比で2倍にあたる台数だという。
「サーバ側で大きな成功を収めた顧客が、デスクトップ側でも(採用の)チャンスをうかがっている」(Wade)。またHPでは、90%以上というWindowのマーケットシェアには遠く及ばないものの、2004年中にはデスクトップLinuxのシェアがMac OSを上回ると予測していると、同氏は付け加えた。
Linux販売最大手のRed Hatは、サーバにもっぱら重点を置いて同OSを販売している。しかし、PCの世界でWindowsの代替製品に対する関心が高まっているため、同社でも今年になってRed Hat Desktopを投入した。
第2位のNovell(本社:マサチューセッツ州ウォルサム)では、SuSE Linuxのデスクトップバージョンを、Red Hatに対して優位に立つための手段と見なしている。同社は今月、SuSE Linuxの機能にXimianのソフトを統合した「Sundance」という製品を発売すると見られている。Ximianは、 SuSE Linuxが買収したもう1つのLinuxベンダーだ。
さらに、購入傾向にも変化が見られる。これまでデスクトップLinuxに対する関心が最も高かったのはアジア地域だが、西側諸国でも一気に関心が高まりつつある。Wadeによると、HPではデスクトップLinuxの約35%が欧州、そして15%が北米に出荷されているという。
一方、PC販売最大手のDellは、デスクトップLinux市場に対して、あまり熱心ではない。Dell AmericaのSteve Felice(ビジネスグループ本部担当バイスプレジデント)によると、同社の顧客の間ではデスクトップLinuxに対する関心が「非常に限られているものの、それでも時々問い合わせが来る」程度だという。
しかし、デスクトップLinuxへ移行するには、ソフトウェア、トレーニング、サポートなど、コストの点でいくつかの障害があると、Feliceはいう。
「数万人の社員を抱える企業にとって、完全な移行はコスト的に相当な負担になる」(Felice)
Adobeには、LiveCycleドキュメント管理アプリケーションなど、Linux版が用意されたサーバ製品もある。しかし同社は、スマートフォンなどの方が同OSの普及が早く進んでいる点を強調する。
「Linuxは、サーバから携帯端末までさまざまなハードに応用できる、興味深い新たなプラットフォームだ」(Deziel)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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