米食品医薬品局(FDA)は、医療目的で人体に追跡用デバイスを埋め込む行為を承認した。こうしたデバイスを生産しているフロリダ州の企業が明らかにした。
人体に埋め込み可能なRFIDタグ「VeriChip」を製造するApplied Digitalは13日(米国時間)、FDAが1年間にわたる審査の末、病院での同社技術の利用を承認したと発表した。
このチップは米粒ほどの大きさで、腕の脂肪組織に注入して使用される。医師や病院スタッフは、特殊なスキャナを使って、患者の名前や血液型、体調に関する詳細な情報などをこのチップから読み出せるようになるため、迅速な治療を施せるようになると期待されている。
同社は、アルツハイマー病や糖尿病、心血管疾患など、複雑な治療が必要な病気の患者をこのデバイスのターゲットとしている。
医療データは、このRFIDチップではなく、別のデータベースに保存される。データベースではチップ固有のシリアル番号と患者データがリンクされている。Applied Digitalによると、FDAは審査の過程でこの技術に絡むプライバシー問題、とくにカルテが誤って公開されてしまう危険性を慎重に調査したという。
現時点では、米国の病院からのVeriChipの注文はまだないと、Applied Digitalの関係者は述べている。そこで同社は全米200箇所の外傷センターに1台650ドルのスキャナを無料進呈し、市場を開拓する計画だ。
患者用IDチップの普及は米国以外の国々のほうが進んでいる。メキシコでは、1000人以上の患者にVeriChipが埋め込まれている。またイタリアの厚生省は、イタリア国内の一部の病院でこの技術のテストを実施している。
Applied DigitalではVeriChipを、建物のセキュリティや金融取引の履行における認証ツールとしても売り込んでいる。メキシコではすでに司法長官とその部下200名が、機密文書が保管されているエリアへのアクセス管理手段として、体内に同社製チップを埋め込んでいる。
このチップは注射器で体内に注入される。同社によると、このチップはすでに数年前から、ペットや家畜の追跡に利用されているという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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