Sun Microsystemsは9月30日(米国時間)、Microsoftを相手に戦いを続けるJava開発者らに、待望のJavaソフトウェアの新バージョンという新たな弾薬を差し入れた。
Java標準を管理しているSun Microsystemsは、Java開発者らがついに待望のアップグレードを手にすることになったと発表した。このアップグレードには基本開発ツールのほか、Javaプログラムの実行に必要なソフトウェア「Javaランタイム環境」が含まれている。これまでTigerという開発コード名で呼ばれていたこのアップグレードには、現在Java 2 Standard Edition(J2SE)5.0という名称が与えられている。
SunによるとJava 2 Standard Edition 5.0は、Javaプログラマの生産性を向上させ、デスクトップPCでのJavaアプリケーションの性能を改善するよう設計されているという。
Javaツールを提供する各社は、Microsoftとの長年にわたる開発者争奪戦で守勢に立たされている。多くのアナリストや開発者らの話では、MicrosoftのWindowsソフトウェアは以前よりも信頼性が増し、大規模アプリケーションを開発する際の選択肢となっているほか、Microsoftの.Netシリーズの開発ツールは比較の対象となるJavaツールよりも概して簡単に使えるという。
SunにとってTigerは重要な役割を担うソフトウェアだ。同社はこのソフトを使って、開発者や独立系ソフトウェアベンダー(ISV)を.NetではなくJavaに引き寄ようとしていると、調査会社RedMonkのアナリストStephen O'Gradyは言う。「.Netが非常に作業しやすい環境としての信頼を集めているのは間違いない。だがTigerは、多くの人々がJavaの最大の弱点と指摘する性能の点で、大幅に改善されている」(O'Grady)
Java開発ツールのプロバイダ各社は、J2SE 5.0を使用したツールを今後数カ月中にリリースする見込みだと、Sunの代表は述べている。J2SEソフトウェアはSunと複数のJavaソフトウェアメーカーが開発したもので、デスクトップマシンで広く利用されているほか、Java 2 Enterprise Edition(J2EE)というJava「ランタイム」のサーババージョンの基礎にもなっている。
J2SE 5.0には、Java言語をシンプルにする拡張機能が含まれており、プログラマがこれまでよりも素早くアプリケーションを記述できるようになっている。また監視プログラムに登録したJavaプログラムを管理しやすくするた管理者向けの診断ツールも組み込まれている。
さらにJ2SE 5.0付属のJavaバーチャルマシンをインストールすれば、性能と信頼性も向上する、とSunのJ2SE 5.0仕様代表者のCalvin Austinは述べている。このキットにはWindows、Linux、Solaris向けのJavaバーチャルマシンのほか、AMDの64ビット対応プロセッサで動くオペレーティングシステム用のものも含まれる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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