NECは27日、Linux関連事業を強化すると発表した。システム構築におけるLinuxを、Unix、Windowsに続く第3のオープン系OSとして位置づけ、Linuxを用いた基幹システム向けソリューションを「NEC エンタープライズLinuxソリューション for MC」と称して提供する。
NEC代表取締役副社長の川村敏郎氏は、「Linuxはミッションクリティカル性が強化され、インターネットフロント業務での適用から、情報系および基幹業務システムへと拡大しつつある。NECではすでに組込みLinux分野で携帯電話向けシステム開発の実績があるのをはじめ、ハイパフォーマンスコンピューティング分野でも64ビットLinuxの開発やスパコン向けLinux技術を持っている。これらのノウハウを基に、エンタープライズLinux市場を積極的に展開したい」としている。
NEC代表取締役副社長 川村敏郎氏 |
Linux事業が具体的に強化されるのは、プラットフォーム、システムインテグレーション、サポート/サービスの3分野。プラットフォームにおいては、すべての基幹サーバにLinuxを搭載するほか、他OSで実績のある同社のミドルウェア製品群VALUMOウェアのLinux版を、2005年度末までにHP-UXやWindowsと同等にまで強化する。
システムインテグレーションでは、Linux、NEC製品群、業務パッケージなどのコンポーネントとサポートサービスを組み合わせ、検証済みのシステムを「アプライアンス商品」として12月頃より提供開始する。また、NECグループにおけるLinux技術者の総数を、現在の2400名から2005年度末までに4800名にまで増員する。
サポート/サービス面では、OSに関する保守サポートを強化した「Linux拡張サポートサービス」を新たに提供するとともに、OS、サーバ、ストレージ、ミドルウェアまで含めたシステム全体の高可用性をサポートする現行の「システムサポート/HAサポート」において、Linuxを対象OSとして追加する。10月には、システムの動作検証を行う「Linux/OSS検証センター」も開設する。
各調査会社のデータを基にNECで推定した数値によると、エンタープライズLinux市場は年率25%で成長しており、2004年の2120億円から2007年には4500億円にまで拡大するという。現在、サーバ、ソフトウェア、システム構築、サポートサービスを含めたNECの企業向けLinux事業の売上高は約300億円だというが、今回のLinux事業強化により、2007年には900億円の売上高をめざすとしている。
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