MicrosoftのWindows開発担当責任者、Jim Allchinは、MicrosoftがWindowsの次期大型バージョン「Longhorn」の開発計画を縮小した背景には、開発者やコンピュータメーカー各社が、高度なデータ管理機能を実現するよりもスケジュール通りのリリースを重視したという要因があったと述べている。
Allchinは、27日(米国時間)に行われたCNET News.comとのインタビューのなかで、MicrosoftがLonghornから高性能ファイルシステム「WinFS」を除外することに決定したのは、同OSを2006年中に必ず出荷できるようにするためだと説明した。
Microsoftでプラットフォーム担当グループバイスプレジデントを務めるAllchinは、「私の目標は、Longhornをこれまで出荷したなかで最高の品質を持つオペレーティングシステム(OS)にすることだ。実は、あるレベルで『十分だ』ということもできた。しかし、われわれは品質レベルを高める道を選んだ」と述べた。
Allchinは具体的に、同社がWindows XP Service Pack 2(SP2)と、Media CenterおよびTabletソフトウェアのアップデートを完成させた時点で、Longhornに注意を向け直してみると、プロジェクトの野心的な内容とスケジュールとが調和していないことを実感したと語っている。
PCメーカー各社やチップメーカーのIntelは、2006年中にハードウェアの強化を予定しており、Longhornでこうしたハードウェアが活用できるようになるのをしきりに見たがっている、とAllchinは示唆した。またPCメーカーらは2004年前半に、Longhornリリースに対する不安を「募らせていた」と同氏は指摘した。
Windows関連の他のプロジェクトを縮小したことにより、「状況を見直して、『よし、フィードバックを踏まえ、正しい方向に進んでいると言えるか』と確認できるようになった。私には『今度のOSでは、われわれが取り組んでいるハードウェアの強化はサポートされるのか?』とか『インストール作業について力を貸してくれるか?』とか、『あなた方のビジョンは素晴らしい・・・それがいつ頃実現するのかについて、より確かな情報を与えてくれないだろうか?』といったフィードバックが寄せられている」(Allchin)
7月初旬に「私は『われわれは計画を変更すべきだ』と思った。そして、それ以来計画の変更を検討しつづけてきた」とAllchinは言う。Allchinはその時、最高経営責任者(CEO)Steve Ballmerや会長Bill Gatesなどの経営陣に会って自らの懸念を説明し、その後、LonghornからWinFSを削除することがいかに妥当であるかを複数のプロジェクトリーダーと議論したという。
その結果、人材が再度割り当てられたかどうか尋ねられると、Allchinは、「責任に関してはより明確な立場を取っていく・・・しかし、仕事のやり方は全く変わらない」と語った。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス