フランス司法当局が、レコード会社EMI Franceと音楽販売業者Fnacに対する捜査を開始した。両社には、自社商品のCDに、一部のオーディオで再生できないコピー防止技術を採用した疑いがかけられている。
消費者からの苦情を受けて、これまで競争局不正防止担当部門 (DDCCRF)の地方支局がこの件に関する調査を行ってきたが、その結果報告を受けて予審判事が7月31日(現地時間)、捜査を命じた。
今回の動きは、コピー防止技術をめぐり、レコード会社やCD販売業者に対して欧州でとられてきた手段のなかで、最も手厳しいものの1つだ。
レコード会社は、消費者がCDをコピーしてMP3のようなコピー防止機能を持たないファイル形式に変換するのを防ぐことに躍起になっている。こうしたファイルは、インターネットやKazaaなどのPtoPネットワークを介して配布される可能性があるからだ。しかし、このレコード会社の動きに対し、CDの個人用バックアップコピーを作れなくなることを恐れる消費者からは、激しい反発の声が上がっている。個人利用のためのコピーは、現在、フランスを含む一部の国の著作権法の下で許されている行為だ。さらに、このようなデジタル権利管理(DRM)技術のせいで、一部のデバイスでは再生時に問題が生じている。
DDCCRFのオードセーヌ支局は2003年9月、消費者団体UFC-Que Choisir(UFC)から再生時の問題に関する苦情を受理した。
「この数カ月の間に、UFCのメールボックスにはコピー防止機能付きCDの購入者からの苦情が山ほど届いている。これらのメッセージには、新品のCDの多くが、Hi-Fiシステムやコンピュータ、カーステレオなどの特定の機器で再生できないと書かれていた」と同団体は声明の中で述べている。
DDCCRFは自らもこれを検証し、判事はその結果を受けてEMI Music FranceとFnacを不正行為の容疑で司法調査するよう命じた。UFCの弁護士Sandra Woehlinによると、この容疑により企業幹部は2年以内の懲役と約45000ドルの罰金に処される可能性があるという。UFCはまた、CDを市場から回収するように求めている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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