マイクロソフトやサンも参加する業界団体がW3CにWS-Addressing仕様を提出

 新たに連盟を組んだMicrosoftとSun Microsystemsも名を連ねる主要なハイテク企業によるコンソーシアムが米国時間10日、ウェブアプリケーション間の相互運用性を高めるための新しい標準案を提出した。

 コンソーシアムはWS-Addressing仕様を、ウェブに関する仕様の主要な標準化団体であるWorld Wide Web Consortium(W3C)に提出した。W3Cは今後作業グループを結成して調査を行い、最終仕様を発表することになる。

 WS-AddressingはMicrosoft、Sun、IBM、BEA Systems、SAPなどの企業の代表者により開発された仕様で、ウェブアプリケーション同士が互いに通信するための基本的な構成部品として利用されることを目指して開発された。同仕様では、アプリケーション同士がメッセージをやりとりしたり、暗号化されたメッセージを解読するためのフレームワークを規定している。これは、相互運用性を確保する上で重要な項目だ。

 「アプリケーションが相互に情報をやりとりするためには、相手に話しかける共通の方法を用意するのは重要なことだ」とIBMのDynamic eBusiness Technologies部門担当ディレクターのKarla Norsworthyは語る。

 相互運用性の欠如は、Webサービスが期待されていたほどブームになっていない原因の1つだ。相互運用性が欠如すれば、多くの重要なアプリケーション同士が互いにデータをやりとりできないためだ。今春、MicrosoftとSunが技術協力に関する歴史的な合意を発表した際も、Microsoftの.NET言語で書かれたアプリケーションとSunのJava 2 Enterprise Edition(J2EE)アプリケーションの相互運用性が、合意によるメリットして期待された。

 Sunは比較的遅くWS-Addressingの仕様策定プロセスに参加したが、同社のWebサービスマーケティング部門を率いるEd Julsonによると、業界の中でコンセンサスが得られれば、Sunには、これまで独自に提案してきた技術案を捨てる用意があるという。

 Julsonは、Microsoftとの合意について、SunがWS-Addressing仕様を支持する決断を下す上で重要な役割を果たしたわけではないが、標準やその他の問題に関して、2社が歩み寄る手助けにはなっていると述べた。「確かに、さまざまな分野について話し合う機会を持つ上で(Microsoftとの合意が)助けになっている」とJulsonは言う。

 WS-Addressingが標準仕様として決定すれば、ウェブアプリケーションの広い範囲で統一が図られるものと期待されている。これには、業界リーダーがこれまで独自に開発してきた多くの分野にわたるメッセージング手法も含まれる。BEAの技術担当ディレクターDavid Orchardは、標準仕様が決定すれば、開発プロセスがシンプルになり、より多くのITシステムとの間で相互運用性を確保することができると述べる。

 「(ニッチな業界では)こうした仕様を自分たちで考案しなければならない場合があった。仕様が標準化されれば、このような企業は自分たちの業界に特化した機能の開発に専念できる」(Orchard)

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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