Microsoft会長兼チーフソフトウェアアーキテクトのBill Gatesは2日(米国時間)、大学での研究に100万ドルの資金を提供し、より多くの学生にソフトウェア業界への就職を勧めるよう大学関係者らに要請した。
Gatesはワシントン州レドモンドの本社で開催されたMicrosoft Researchと約400人の大学関係者との会合で、学術分野で最も優秀な才能にソフトウェア産業への就職に関心を抱かせることは、コンピュータ産業と経済全体の発展にとって極めて重要だと述べた。
「米国を含む多くの国々で、コンピュータ科学に関心を持つ大学院生レベルの人々の数が以前より減っていることに、われわれ全員が懸念を抱いている」(Gates)
しかしながら一部のバイオロジー分野を除き、ソフトウェア分野は全体として社会に最も大きな影響を与えている、とGatesは語った。
「ほとんど全てのIQは、われわれの業界の方向に注がれねばならない。IT産業こそ、経済発展につながる技術革新が生まれる分野だ」(Gates)
同社は2日、Microsoft Researchの研究と合致する、より多くの学術研究を助成するため、「Microsoft New Faculty Fellowship Program」という100万ドルの寄付金を発表した。Microsoftによると、同社は新たなアプローチでコンピュータ科学に取り組む研究者で、新たに大学で教えることになった者5人に対して、各々20万ドルの資金を提供するという。このプログラムの当選者は来年第1四半期に発表される。
Microsoftはまた、ソフトウェアコードの生成・最適化といったソフトウェア・エンジニアリング問題への対処を目的とする、「Phoenix Academic Program」も発表した。同社はこのプログラムを通じ、今後のMicrosoft製品で使用されるソフトウェアコンパイラ「Phoenix」(コード名)などのソフトウェア開発ツールを提供していく。
Microsoft Research担当のシニアバイスプレジデント、Richard Rashidによると、同社の研究助成金への全投資額は、数千万ドルに上るという。Microsoft Researchでは、全世界にある5つの研究拠点で約700名が働いており、今年度の研究予算は約60億ドルとなっている。
Gatesは先週行われた金融アナリストとの会合で、同社が特許数を大幅に増やしたい意向であることを明らかにした。同社では、昨年は200件、そして今年は約3000件の特許を申請している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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