CNET News.comが入手した情報によると、オープンソースソフトウェアに一層力を入れるIBMが、CloudscapeというJavaデータベースを中心としたオープンソースプロジェクトの立ち上げを計画しているという。
IBMの計画に詳しい情報筋によると、同社は今週のLinuxWorld Conference & Expo開催に合わせて、「Derby」というコード名を持つこのオープンソース構想の詳細を明らかにする予定だという。同ソフトウェアはオープンソースのApache Software Licenseに準拠し、Apache Software Foundationによって管理されることになる、とこの情報筋は話している。
IBMやApacheの関係者は、この件に関するコメントを控えている。
CloudscapeはIBMのデータ情報製品群のなかのニッチ商品で、数十億ドルもの売上があるDB2と比べるとマーケットシェアは非常に低い。IBMはこれまでCloudscapeを、Workplaceデスクトップアプリケーションシリーズに組み込み、データ格納機能として利用してきた。
業界幹部によると、同製品は完全にJavaベースのデータベースであることから、DB2やOracle、MicrosoftのSQL Serverといった主立ったリレーショナルデータベースサーバとは直接競合しないという。
それでもIBMは、データベース製品をオープンソース化することにより、オープンソース開発モデルに対する関わりを深めることができる。Linuxに膨大な投資をする同社は、オープンソース技術を法人顧客の嗜好に合わせ、顧客の信頼を獲得した実績がある。
IBMのCloudscapeに限らず、ほかの商用ソフトウェアベンダも、製品への関心を高め、プログラマが利用しやすいようにする狙いから、既存製品を中心にオープンソースプロジェクトを立ち上げている。今週のLinuxWorldでは、Computer Associates Internationalがマーケットシェアの低いIngres r3データベースをオープンソースとして公開する予定だ。
データベースをオープンソース化しているSleepycat Softwareの社長兼CEO(最高経営責任者)Michael Olsonは、既存製品をオープンソースにすれば、製品の普及率や会社の売上が確実に上がるわけでもない、と述べる。
IBMは、Cloudscapeを1999年に買収したデータベースメーカーInformixを2001年に買収し、Cloudscapeを入手した。Cloudscapeは、Javaプログラミング言語対応を謳うリレーショナルデータベースとして1990年代半ばに開発された。しかし、CloudscapeをはじめとするJavaだけで記述されたデータベースが、期待通りに普及することはなかった。
オープンソースデータベースベンダMySQLのマーケティング担当バイスプレジデントZack Urlockerは、「技術的な観点から見るとCloudscapeは優れたデータベースだが、すべてJavaで組まれていることと、開発者は通常、成熟したものを使いたがることから、これらの製品は今のところあまり目にする機会がない」と語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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