Crayが今年中に開発に着手するサンディア国立研究所のRed Stormコンピュータが、2005年にAdvanced Micro Devices(AMD)のデュアルコアOpteronプロセッサを搭載することになった。
この9000万ドルのマシンの第1バージョンは、41.5テラフロップ、つまり1秒間に41兆5000億回の演算ができるだけの処理能力を持つ見込みだ。このシステムが2005年末までにAMDのデュアルコアチップにアップグレードされれば、性能は100テラフロップにまで達するはずだ、とサンディア研究所は今週述べた。
このシステム開発の第一フェーズには今年9月から着手する。2005年1月にシステムが完成すれば、システムには全部で1万1648個のOpteronチップが搭載されることになる。デュアルコアチップは1つのシリコン片に2つのプロセッシングユニットを搭載して性能向上を図っているチップで、現在はまだ珍しいものの今後は一般に普及する技術とされている。
Crayは長年にわたり、X1のような完全カスタマイズのスーパーコンピュータ構築を専門としてきたメーカーだが、Red StormではOpteronサーバチップやLinuxオペレーティングシステム(OS)など、広く普及しているコンポーネントを数多く採用されている。しかしRed Stormにももちろん、Cray製のSeaStarチップという特殊コンポーネントも搭載される。これは、Red Stormを構成している数千の4プロセッサ・コンピュータの間でメッセージを送るためのチップだ。
Crayは、高性能コンピューティング市場総合第1位のHewlett-Packard(HP)と第2位のIBMのほか、Sun MicrosystemsやDell、SGI、そしてローエンドマシンを集めて安価なスーパーコンピュータを構築する小規模な新興企業らと競合している。
Red Stormは、1990年代末にスパコン最速ランキング上位500のトップに立ったサンディア研究所の別のスーパーコンピュータASCI Redの後継マシンだ。現在ローレンス・リバモア国立研究所で構築中のIBMのBlue Gene/Lと同様、ASCI Redでは、一部のコンピュータに簡素版OS、中央制御用コンピュータにフル機能のOSが使用されていた、とサンディア研究所のRed Stormプロジェクトリーダー、Jim Tomkinsは述べている。Red StormとBlue Gene/Lでは制御ノードのOSとしてLinuxが採用されている。
TomkinsによるとRed Stormは、マスターコンピュータと簡素版コンピュータのいずれでもソフトウェアを実行できる、ハイブリッドなアプローチを取っているという。Red Storm用のプログラムでは、標準的なメッセージ・パッシング・インターフェース(Message Passing Interface:MPI)が使用される。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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