IBM率いる企業グループが、企業ネットワークにアプリケーションをインストールする際に発生する環境設定の問題を解決することを目指し、標準案を提案した。
Solution Installation for Autonomic Computingという名で知られるXMLベースのこの規格は、IBMとNovellのほか、インストールソフトメーカーのInstallShield SoftwareとZero G Softwareが参加する企業グループが策定した。IBMによると、同グループは15日にこの規格を標準化団体のW3C(World Wide Web Consortium)に提出したという。
同規格に含まれるインストール技術は、IBMが、オートノミック(自律型)コンピューティングの取り組みの中で行なった研究から派生的に生まれたものだ。この取り組みは、分散コンピューティングシステムの一部として自らを監視、管理できる「インテリジェンス」を備えたハードウェアとソフトウェアの構築を目指している。これにより、人間の管理者を置く必要性をなくし、コスト削減が可能になる上、コンピュータ操作の複雑さが解消される。
Solution Installation for Autonomic Computingフォーマットの標準化の目的について、IBMのオートノミックコンピューティング担当ディレクター、David Bartlettは、同規格を業界全体に広く普及させるため、と説明する。
IBMが声明で発表したところによると、W3Cへの提出書類から生まれる予定の標準化されたXMLスキーマあるいはドキュメント・フォーマットは全て開発者に無償で提供されるという。InstallShieldとZero G Softwareはすでに、このXML技術を自社のアプリケーション・インストール・ツールに組み込んでいる。
この規格は、アプリケーション実行に必要なソフトを定義づけるXMLベースのドキュメント・フォーマットだ。開発者が企業用アプリケーションのインストールプログラムを記述する際、ネットワーク上に必要な他のソフトを洗い出すために、そのフォーマットに基づいたツールを使用することができる。これは、企業が複雑なコンピューティング環境の中で企業用アプリケーションをインストール/アップデートする際に発生しうる環境設定の問題を回避するうえで役立つ。
例えば、保険代請求処理用アプリケーションのアップデートでは、ウェブサーバの特定のバージョンか、サーバハードウェアの特殊な設定が必要になる場合がある。IBMによると、Solution Installation for Autonomic Computingは全ての問題を自動的に発見/選別するため、人間の管理者がそれらに対処する必要はないという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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