元Red Hat社員が集まり、Specifixという名前の新しい企業を立ち上げた。同社では、カスタマイズされたソフトウェアを必要とする顧客のニーズに応えることで、Red Hatでは実現できなかったソフトウェアのサポートを提供していく予定だ。
Specifixの本社はカリフォルニア州サンノゼで、開発の大半はノースカロライナ州ローリーで行われる。同社は複数バージョンのLinuxを提供する予定で、Red Hat Enterprise Linuxと出来るだけ互換性を持たせるつもりだと言う。同社は14日(米国時間)、Conaryというソフトウェアから公開を始める計画だ。
「われわれはユーザーがカスタマイズしたり目的に合わせて変更したりできるようなLinuxモデルを構築したいと思っている」とSpecifixの共同創設者Erik Troanは言う。Troanは1995年に従業員が4〜5人だった頃のRed Hatに入社し、後に開発担当バイスプレジデントやマーケティングディレクターを歴任した。
Specifixの最高経営責任者(CEO)は、もう一人の創設者であるKim Knuttilaで、Red Hatが1999年に買収したCygnusの元社員だ。Troanは2003年に、Knuttilaは2002年にRed Hatを退社した。
2人はRed Hatの新規株式公開(IPO)成功で得た利益で、会社の設立資金をまかなったと、Troanは言った。彼らは既に複数の顧客との商談を始めており、今年末までには売上を立てる見込みだと言う。
同社の10人の従業員の中には、7月21日から24日に開催されるOttawa Linux SymposiumでConaryについて話をする予定のMatthew Wilsonもいる。また、Red Hatを2004年初めに退社したMichael Johnsonも、Specifixに入社した。
イヤな感じはしないと、Red HatのCEOであるMatthew Szulikは言う。「素晴らしいことだと思う。オープンソース関連の企業を新しく立ち上げる人は他にもたくさんいる。彼らは優秀だ。成功を祈る」(Szulik)
Linux人気の理由は、ソースコードが無償で開示されていることから、柔軟性が高く、再構成も可能な点にある。しかし、Red HatやNovellなどのLinuxベンダは、顧客が製品に手を加えないという条件のもとでのみ、サポートを提供する。その点、Conaryではソフトウェアの変更を細かく追跡することができるため、顧客がカスタマイズを行っても、Specifixはサポートする部分を切り分けることができるのだとTroanは言った。
Specifixは、サーバー用とネットワーク機器などのデバイス用の、自社バージョンのLinuxを公開する予定だ。Troanによると、コンピュータ機器や高度な要求を持つ顧客にLinuxのカスタマイズ版を提供することで利益をあげたいと同社では考えているという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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