CNET News.comが入手した情報によると、オープンソース団体のEclipseは、BEA SystemsのJava開発ソフトウェア「Beehive」に関わる開発プロジェクトをスタートさせるという。
BEAとEclipseとソフトウェアメーカーのInstantiationsは、28日(米国時間)にサンフランシスコで開催されるJavaOneデベロッパーカンファレンスで、「Pollinate」と呼ばれるこのプロジェクトを発表する予定だ。BEAによると、同プロジェクトの目的は、Eclipseオープンソースソフトウェアを利用するJavaプログラマが、Beehiveのビジュアル開発コンポーネントを利用できるようにすることだという。
このプロジェクトは、Eclipseのメンバー企業であるInstantiationsが率い、ゆくゆくはEclipseソフトウェアのアドオン(プラグイン)の形になる。BEAの開発者マーケティングディレクターDave Cotterによると、Pollinateの最初のコードは今年の夏の終わりにリリースされ、ベータプログラムは秋から開始される予定。同プロジェクトが完成するのは、来年の第2四半期になる見込みだという。
このプロジェクトは、BEAの最も有名なオープンソース開発への取り組みであるBeehiveソフトウェアの普及促進を狙ったものだ。Eclipseソフトウェアのほうは昨年、急速に人気が高まった。リサーチ会社Evans Dataが行った最近の調査では、北米の開発者の90%がJava開発に他のツールと並んでEclipseを使用しているという。
Javaは、さまざまなオペレーティングシステム(OS)やプロセッサで稼動するアプリケーションを記述するためのプログラミング言語。Javaで作成したプログラムは、異なるプラットフォームに合わせて、それぞれに対応するバージョンを新たにつくらなくても、動作させることが可能だ。
BEAは5月に、同社のWebLogic Javaアプリケーションサーバと連動するアプリケーション開発「フレームワーク」を、オープンソースモデルで開発するために、Apache Foundationに提出した。Beehiveソフトウェアは、コンポーネントと呼ばれるあらかじめ用意されたコードをドラッグアンドドロップで組み立てるツールを提供し、Javaプログラムの開発にかかる時間を短縮できるよう設計されている。またBeehiveソフトウェアには、Webサービスやポータルアプリケーションの開発を迅速化するツールも含まれている。
Beehiveは、BEAの商用製品WebLogic Workshopをサポートするオープンソースのソフトウェア。BEAでは同社のエンジニアらに、JavaアプリケーションサーバのTomcat上で動作可能なアプリケーションを作成できるBeehiveソフトウェアの開発を行わせている。BEAはEclipseに加わることはない、とCotterは語った。
BEAは現在、他のJavaツール開発会社に対し、それぞれの製品でもBeehiveをサポートさせようと働きかけている。同社では、こうした取り組みを通じてBeehiveソフトウェアの利用者を増やし、それをWebLogic製品の売上増加につなげたい考えだ。また、Beehiveの採用がさらに進めば、あらかじめ用意されたコンポーネントの市場も拡がる、とCotterは語った。
BEAはBeehiveソフトウェアを、SunのオープンソースのJava開発ツールである「NetBeans」や、JetBrainsのJava開発ツール「IntelliJ Idea」などと連携させたいと考えている、とCotterは述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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