ニューヨーク発--データベース最大手のOracleは米国時間26日、2004年末までに社内のプログラミングスタッフ9000人のLinux環境への移行を完了させる予定であることを明らかにした。
同社は、Oracle Applicationsソフトウェア担当のプログラマ5000人のLinuxへの移行を昨年10月に完了している。LinuxエンジニアリングディレクターのWim Coekaertsは、当地で開催中のCeBITトレードショーで行われたインタビューの中で、今回移行を始めるのはデータベース製品を担当する部隊であることを明らかにした。
Coekaertsは、「年末までには(Linuxが)われわれのコアプラットフォームになる」と述べる。また、OracleがLinuxへの移行を進める理由について、Linuxの方がコストも低く、高速に動作するためだ、と付け加える。
25日にリリースされたGartnerの市場調査データによると、OracleのLinuxへの取り組みは顧客の心をつかんでいるという。2002年には、Oracleの売上4500万ドルに対し、6700万ドルを売上げたIBMがLinux対応データベースソフトウェア市場をリードしていた。しかし2003年になると、IBMの売上8500万ドルに対し、2億700万ドルを売り上げたOracleが1位に躍り出た。
Oracleは、社内の開発環境についてもSun Microsystemsコンピュータからの移行を進めている、Coekaertsは述べる。新しい環境のコンピュータは複数のメーカーから供給されており、オープンソースオペレーティングシステムの売上上位を占めるRed HatとNovellの複数のバージョンのLinuxを採用している。
Oracleは、このような変更をあまり行わない。最後にこのような変更を行ったのは1990年代前半で、そのときはDigital EquipmentのVMSからSunのSolarisに移行した、と同氏は話している。
オープンソース化の流れに乗っているのはOracleだけではない。Dellも社内サーバをLinuxに移行しており、NovellはWindowsの採用をやめて、自社のデスクトップ版Linuxを導入している。
OracleはLinuxを強く支持している。同社では、「Unbreakable Linux」マーケティングキャンペーンに膨大な資金を投入しているほか、Linuxのコア部分であるカーネルの開発に携わる開発者が同社には14人も在籍している。また、同社はRed Hatのセキュリティ認定などへの資金援助も行っている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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