IBMのWorkplace、ウェブベースアプリとクライアント/サーバ型アプリのいいとこどり

藤本京子(CNET Japan編集部)2004年05月17日 17時17分

 日本IBMは17日、同社のクライアントソフト新戦略として、PCや携帯電話などデバイスを問わず、ネットワークを介して業務アプリケーションやデータへのアクセスが可能になるというIBM Workplaceを発表した。「Workplaceは、オンデマンドビジネスの基盤となるものだ。サーバ管理型クライアントモデルのWorkplaceで、生産性の向上や運用管理コストの削減が実現できる」と日本IBM理事でSWブランド&スペシャルティ担当の川原均氏は述べる。

 IBM Workplaceは、多様な端末をサーバで集中管理するサーバ管理型クライアントソフトウェア形態をとるため、追加機能を各クライアントソフトウェアへ自動的に配布でき、修正や更新も容易となる。また、各端末のプラットフォームに関わらず利用することが可能だ。これは、「例えば1000台のクライアントPCを抱えた企業で、ソフトウェアの機能追加などを行う際、これまでは1台ずつバージョンアップを行わなくてはならなかったが、Workplaceでは一括管理が可能なため、管理が容易になりTCOが削減できる」(日本IBMロータス・ブランドマネージャー 澤田千尋氏)という。

「黄色はLotusのブランドカラー」と、黄色いネクタイで登場した日本IBMロータス・ブランドマネージャー 澤田千尋氏

 このように、従来のブラウザベースのアプリケーションは、管理性には優れているものの、機能や操作性が制限されることや、オンラインでなければ利用できないといった課題があった。Workplaceではこういった課題に対応するため、IBM Workplace Client Technologyという技術で操作性の高いユーザーインターフェースを提供するとともに、オフライン状態で作業を継続させ、接続後に同期することが可能だという。

 Workplaceは、Javaベースのウェブアプリケーション環境を構築するWebSphereファミリーと、コラボレーションソフトウェアのLotusファミリー製品群で構成されるが、今回Lotusファミリーの中からLotus Workplace 2.0として、5製品およびビルダーが発表された。その5製品とは、メールやカレンダー機能を備えたIBM Lotus Workplace Messaging、文書共有や管理機能を提供するIBM Lotus Workplace Documents、在席確認やインスタントメッセージ機能などを提供するIBM Lotus Workplace Team Collaboration、ウェブコンテンツの作成や管理を支援するIBM Lotus Workplace Web Content Management、Eラーニング機能を提供するIBM Lotus Workplace Collaborative Learningだ。製品価格は来月発表予定だというが、「たとえばWorkplace Messagingは1ユーザーあたり数千円となる見込み」(澤田氏)という。

 2004年第4四半期には、プラットフォームが拡張されたLotus Workplace 2.5が発表される予定で、澤田氏によると同バージョンから「ソリューションプロバイダがアプリケーションをWorkplace上で開発できるようになる」という。

 IBMがWorkplaceに注力することで、Lotus Notes/Dominoに取って替わるかというと「決してそうではない」と澤田氏は主張する。「今後もNotes/Dominoへの投資は続け、来年初めにはNotes/Domino 7.0が発表される予定。これは、付属テンプレートがWorkplaceに対応するなど、連携が強化されたものとなる」と同氏は説明、さらに2006年に発表予定のNotes/Domino 8では、Workplaceに完全対応するという。

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