インフラソフトの分野で市場をリードするIBMが、2003年も引き続きマーケットシェアを伸ばしたことが、CNET News.comが入手した資料により明らかになった。
米調査会社Gartner Dataquestが、2003年の商用アプリケーション・サーバソフトウェア市場を調査した結果を発表した。同市場をリードするIBMのマーケットシェアは、前年の36%から41%に拡大。一方、2位につけるBEA Systemsのマーケットシェアは、前年の29%から27.5%に低下した。
アプリケーション・サーバソフトは、サーバベースのビジネスソフトウェアを走らせる際に利用されるものだが、この市場でIBMが初めて首位の座をBEAから奪ったのは2002年のことだった。
また同発表によると、アプリケーションサーバやインテグレーションソフトウエア、ポータルソフトウェア、開発ツールなどを含む、Javaベースのアプリケーション・プラットフォーム・スイートの分野で、IBMはBEAよりも売上げを伸ばしたという。IBMの売上げは昨年4%増加し、マーケットシェアは32%になった。また、BEAの売上げは2.5%増加し、マーケットシェアは19%となった。
調査会社IDCは、ソフトウェアのライセンスとサービス双方の売上に関するデータを発表しており、その数値はGartner Dataquestの発表と同様のパターンを示している。
IDCの発表によれば、アプリケーションサーバのライセンスおよびサービスで市場のトップを走るIBMのマーケットシェアは、昨年6%上昇して29%になったという。2位につけるBEAのマーケットシェアは4%低下し26%であった。3位のOracleは売上が15%増加し、マーケットシェアが19%になった。4位のSun Microsystemsはアプリケーションサーバの売上が15%減少して、マーケットシェアは3.5%となった。
Gartner Dataquestの発表によると、商用Javaアプリケーションに対する企業の総支出額は昨年8%減少し、10億ドルであったという。これには、オープンソースのJavaアプリケーション・サーバ・ソフトの台頭が影響しているという。たとえばJBossのように、オープンソースのJavaアプリケーションサーバのコンサルティングを行う企業は、有償のアプリケーションサーバの代わりとなる選択肢を求める法人顧客に照準を定めている。Sunも、ローエンド向けのアプリケーション・サーバソフトを無償で提供しており、この傾向に拍車をかけている。
現在、商用のJavaアプリケーション・サーバソフトには、オープンソース化の影響を受け、値下げの圧力がかかっている。そのため、インフラ用ソフトを扱う大手ベンダー各社は、開発ツールやポータルソフトウェア、インテグレーションソフトウエア、アプリケーションサーバを含むスイート製品の販売に重点的に取り組むようになっている。
Gartner DataquestのアナリストJoanne Correiaは、アプリケーション・プラットフォーム・スイートについて、長期的な視点からみるとテクノロジープロバイダーにとって最も重要な分野であると述べている。
「アプリケーション・プラットフォーム・スイートこそ、本当の戦争が繰り広げられている分野だ。1つのコンポーネントが売れれば、それに付随してほかのコンポーネントも売れる。あるいは、スイートが売れれば、長期にわたってその顧客を囲い込むことになる」(Correia)
Gartner Dataquestの発表によると、アプリケーション・プラットフォーム・スイートのコンポーネントの売上高は、昨年2%増加して、28億ドル弱になったという。また、Microsoftは、ポータルおよびインテグレーションソフトウェアの分野で売上を伸ばし、市場第5位に付けた。
BEAは現在、収入源をアプリケーションサーバからポータル/インテグレーションソフトにシフトさせようとしている。IDCによると、同社はインテグレーションソフトの分野で、安定した伸びを見せているという。同分野でのBEAの売上は、倍以上も増加し、マーケットシェアは8%近くにまで上昇した。一方、IBMは同分野における売上げを7%増加させ、マーケットシェアは17%となっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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