Sun MicrosystemsがNiagaraプロセッサの設計を完了させたことを、同プロジェクトに詳しい関係者が明らかにした。Niagaraは、Sunが自社のUltraSparcシリーズの競争力を維持する上で重要な製品だ。
Sunは2002年にAfara Websystemsという新興企業を買収し、当時設計段階にあったNiagaraを取得した。既に2種類のUltraSparcモデルの開発を中止し、IntelやAdvanced Micro Devicesのx86系プロセッサを自社製品に採用しているSunにとって、UltraSparcシリーズの一角をなすNiagaraはますます重要な製品となっている。
Sunは米国時間11日にNiagaraの設計作業を完了させ、設計データをプロトタイプの製造/テストを行う部門に提出したと、同関係者は述べている。Sunの広報担当もこれを事実と認めている。設計データが製造部門に送られてから、製造にまつわる問題などを解決し、実際にチップがサーバに搭載されるまで、通常は最低でも1年かかる。
Niagaraは、各々4つのスレッドを扱えるチップコアを8つ使うという異例の設計で注目を浴びている。Sunはこのアプローチについて、「スループット・コンピューティング」や「チップ・マルチスレッディング」など、さまざまな呼び方をしている。
Niagaraと、さらにハイエンド向けの「Rock」(開発コード名)というチップは、まだ開発段階にあるが、UltraSparc IIコア2基を積むローエンド向けのGeminiと、ハイエンド向けのUltraSparc Vという2種類のチップは今年に入って開発中止が決まった。
Sunは自社製のチップを開発するだけでなく、AMDのOpteronプロセッサも自社サーバーに積極的に採用している。同社は現在、ソフトウェアを重視する戦略に転換しつつあり、双方のチップ上で動作するソフトの開発に注力しており、将来的には他のチップ製品を搭載しない競合他社のサーバ上でも自社のソフトウェアを動かせるようにしたいと考えている。
Sunのプロセッサは、Texas Instrumentsが製造する。UltraSparcチップの競合製品としては、IBMのPowerプロセッサやIntelのItaniumプロセッサ、Hewlett-PackardのPA-RISCプロセッサがある。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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