The Royal Bank of Canada(RBC)は、保有するSCO Groupの株式のうちの3分の2を、共同出資者のBayStar Capitalに売却した。これを受けて、SCOに戦略変換を求めるBayStarの影響力が高まることになる。
昨年10月、RBCとBayStarはSCOに対し、それぞれ3000万ドル、2000万ドルの投資を行った。SCOは、Linuxを利用する企業に対し、自社が所有するUnixの知的所有権を侵害していると主張しており、2社の投資はそのための多額な訴訟費用に当てられた。SCOの広報担当Blake Stowellが米国時間7日に述べたところによると、今回RBCは、優先株3万株のうちの2万株をBayStarに売却し、残りの1万株を売却可能な普通株に転換したという。
SCOによると、転換価格は1株当たり13.50ドルで、RBCはSCOの普通株を74万740株取得したという。Stowellは、RBCのこの動きがSCOの財務状況に影響を与えることはないと述べている。
BayStarの広報担当は、「このタイミングと金額でRBCの所有するSCO株式を購入したことで、BayStarや投資家は戦略的かつ財務的なチャンスを手にすることになった」と述べ、取引の動機や購入条件については言及しなかった。
RBCの広報担当Paul Wilsonは、取引の事実を認めたが、動機については「ビジネス上の決断だ」と述べるにとどまり、詳細には触れなかった。
SCOによると、RBCの株式転換を受けてSCOの発行株式数は1520万株となり、そのうちRBCが所有する割合は4.8%であるという。SCOの普通株は優先株より流動性が高く、RBCがSCOの全株式を売却したいと判断した場合は、こうした株式転換が避けられない手段となる。
RBCのこの動きにより、SCOに戦略の転換を求めてきたBayStarの影響力がさらに強まる。同社は、昨年10月の投資で発行された5万株の優先株のうち、4万株を所有することになる。
今年4月、BayStarはSCOに対し、経営陣を刷新し、Unix製品事業よりも知的所有権の問題に重点的に取り組むよう求めた。BayStarはこの要求を通すべく、投資金の償還を求めている。
5月7日のSCOの株価は概して変動せず、終値は2セント安の5.99ドルをつけた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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