シアトル発--Windowsオペレーティングシステム(OS)の次期バージョン「Longhorn」には、高度な3次元グラフィックが導入される。しかし古いビデオカードを積んだマシンでは、Windows 2000とほとんど変わらない見た目になってしまう。
これはMicrosoftがLonghornで、ビデオカードの性能に応じて3つの異なるグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)の提供を計画しているためだ。
「使用するハードウェアの性能に基づいてユーザー体験を階層化するのは、今回が初めてだ」と主任プロダクトマネージャーのGreg Sullivanは、シアトルで開催中の「Windows Hardware Engineering Conference」(WinHEC)でのインタビューのなかで語った。
最高品質のインターフェースとなる「Aero Glass」(コード名)には、透明化や高度な3次元シェーディング機能などが備わっているが、これを利用するには64Mバイト以上のビデオメモリを積んだハイエンドのビデオカードが必要となる。ミッドレベルの「Aero」インターフェースではグラフィック機能の大半が改善されるが、ただしAeroを利用するには32Mバイト以上のビデオメモリが必要とされる。
Aero、Aero Glassのいずれも、DirectX 9.0のサポートとグラフィックカード接続用のAGP 4X、そしてLonghorn対応のグラフィックドライバも必要となる。
Microsoftは、こうした強力なグラフィックカードがないシステム用に「classic」インターフェースを提供する。これは、現在企業用デスクトップの主流であるWindows 2000を模したデザインになっている。
MicrosoftはLonghornのグラフィックス要求仕様の詳細は明らかにしたが、同社は当初計画していた、Longhornを動作させるために必要な、もしくは推奨されるハードウェアについてのガイダンスを提示しなかった。
その代わりとして、同社はLonghorn計画の最終決定に向け、コンピュータメーカーやハードウェアメーカーと内密に協議を進めているとSullivanは述べた。Longhornの発売予定が2006年半ばに延期されたため、こうしたハードウェアへの要求仕様の決定もそれほど差し迫ったものではなくなっている。
Sullivanは実際、Longhorn出荷時には「圧倒的大多数」のシステムが同OSを稼働できるだろうと述べている。Longhornは、同OSのリリース以前に製造された比較的新しいマシンでも稼働できる。「比較的新しいPCなら、このOSの諸機能を活用できるはずだと考えている」(Sullivan)
こうしたグラフィックの必要条件は、単なる見た目の格好良さだけを狙って考えられたものではないとSullivanは説明している。
「PC内蔵のストレージ容量がテラバイトに達しようという時代には、さまざまなやりかたでデータにアクセスできることがとても重要になってくる。Longhornで(Windowsの)シェルを3Dにするのは、単に見た目の格好良さを狙ったからではない。ただし、実物はとても格好いい」(Sullivan)
独立系技術アナリストのPeter Glaskowskyは、Longhornのハードウェアに関する要求仕様について、それほど厳しいものではないように見えると述べ、また同OSが新しいマシンならほとんどのもので動かせるようだと語っている。「確かに、Longhornが登場する頃につくられているPCは、どれもこの要求水準に達しているだろう」(Glaskowsky)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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